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それが官民協働ネットワーク Crossoverです。
     

第16回異業種ディスカッション大会 開催報告

異業種ディスカッション大会(前哨戦)

再設計!日本経済・社会の仕組み

~ 人口減少に適応できる経済・社会の構築に向けて ~


1.全体総括    2.スタッフからのプレゼンテーション報告    3.ディスカッション報告    4.今後の予定
グループA  グループB  グループC  グループD  グループE  グループF  グループG


1.全体総括

12月14日(日)、東京医科歯科大学にて表記イベントを開催し、60名の定員を上回る大勢の皆さんに参加いただきました。師走の多忙な中、会場まで足を運んでいただき、「心のスイッチ」が入る非日常空間を、ともに創り上げてくださった皆さんに、この場を借りて、改めて感謝を申し上げます。

今回は、2015年上期に「再設計!日本経済・社会の仕組み ~ 人口減少に適応できる経済・社会の構築に向けて ~」をテーマに、複数回に分けて行う「ディスカッション大会」本番の“前哨戦”という位置付けで、「そもそも人口減少は問題なのだろうか?」という問いと向き合い、日本の人口動態に関する様々なデータや見通しを共有しながらグループ・ディスカッションやプレゼンテーションを楽しみました。

日常生活や仕事だけをしていたのでは決して出会うことがなかったであろう参加者同士で、「与えられた問にどうやって答えるか」だけでなく、「向き合うべき真に重要な問いは何か?」という視点にまで立ち返り、互いの問題意識、視点、そして価値観を交差させながら学びあう、そんな時間をもつことができました。

14:00~18:00までのディスカッションに続く懇親会は、毎度のことながら深夜まで続き、分野、組織横断的な協働の礎となる絆を参加者同士で強めることができました。今回のイベントを機に、新たに2名の方がスタッフとして加わってくれたことも、大きな成果の一つです。

今回のイベントで出された貴重な意見を一人一人の記憶にシッカリと残すため、そして社会に向けて発信していくために、以下のとおり、グループ・ディスカッションにおける各チームの議論をスタッフがまとめました。

人口減少をテーマに今後行っていく「異業種ディスカッション大会」へのインプットにもなるものですので、今回参加された方も、残念ながら参加がかなわなかった方も、ぜひご覧いただければと思います。

スタッフ代表 池田洋一郎


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2.スタッフからのプレゼンテーション報告
~日本の人口動態に関するKey QuestionとKey Data~

まず始めに、スタッフの田中里沙より、「日本の人口動態に関するKey QuestionとKey Data」と題したプレゼンテーションを行いました。ここで発せられたKey Massageは、次の通りです。


1.人口は「どのくらい」減るのか
 →日本の総人口はほぼ確実に減る

2.人口は「どのように」減るのか
 →高齢化と共に人口減少が進む

3.人口は「どこで」減るのか
 →地方でより人口減少が進む
 →世界では爆発的に増える


※プレゼンテーションの詳しい内容は、プレゼンテーション資料 をご覧ください。




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3.ディスカッション報告
~議題:そもそも「人口減少」は問題なのか?~


グループA

ファシリテーター 池田洋一郎 (所属:財務省)

メンバー構成 大学生 1名、国家公務員 2名、会社員 1名(総合電機メーカー)、医師 1名、団体職員 2名、シンクタンク職員 1名
年齢層は20代 4名、30代 4名

1.スタッフからのプレゼンテーションに対する感想
○ 日本の人口が減少していくことには認識があったが、出生率が第二次ベビーブーム時の2.07まで回復してもなお、人口減少が止まらないことは認識がなかったため、衝撃を受けた。
○ 大豊町の事例については、単に出生率の低下による人口減少(自然減)だけでなく、町外への移転に伴う人口減少(社会減)のインパクトのほうが大きいのではないか。
○ 消滅可能性都市における、特に慢性疾患に対応できる病院の不足(いわゆる医療過疎)は、今後全国的に高齢化、人口減少が進んでいく中で、より一層深刻度を増すのではないかと感じた。
○ 労働力人口の変動に影響を与える要因として、①女性の労働参加率、②高齢者の労働参加率、③出生率、が挙げられたが、移民の受入動向も加えるべきではないか。

2.主な議論
☆ 議題1:高齢化を伴う人口減少は問題か?

 【YES派の主な意見】
○ 内需の減少により、経済成長を維持するには海外の消費に依存せざるを得なくなり、日本経済がより一層海外の影響を受けやすい体質となるため。
○ 現在の人口減少のペースと人口動態の変化を放置すれば、社会保障制度が持続不可能なものとなるため。なお、少子高齢化を伴う人口減少が進む中での社会保障制度の変更には、国民に対する負担増や給付減が必ず伴うことから、弾力的な変更は困難。
○ 要介護者数は増加の一途をたどる一方で、介護の担い手は減っていくことから、介護保険制度が維持できなくなるため。
○ 農業の担い手が消滅し、また海外からの一次産品輸入に必要な製造業の競争力維持も困難となる。これにより、日本人が食べていけなくなるため。

 【No派の主な意見】
○ 地球資源の有限性や、地球規模の人口増加を踏まえれば、日本の人口減少は問題ではない。
○ 出生率の低下による子供一人当たりの教育投資の拡大や栄養改善は、日本だけでなく多くの国にとって共通した政策目標であった。また、「高齢」社会とは医療技術・制度や公衆衛生の発展によりもたらされた「長寿」社会に他ならない。つまり、日本の「人口減少・高齢化」は、国が発展していく過程で追及してきたゴールが実現した結果あらわれる現象にすぎない。問題なのは、こうした現象に対応できない既存の制度。
○ 介護の担い手の減少などは、「介護ロボット」の導入などの研究開発や、担い手の外国からの招聘により問題を緩和することが可能なはず。
○ 「生産年齢人口」(15歳から65歳)や高齢者(65歳以上)といった言葉の定義は、社会の状況や健康寿命の増進により、変更可能なはず。既存の定義に縛られて将来を論じるべきではない。
○ 社会保険制度等、一度確立された精緻な制度を変更することは確かに容易ではないが、人口動態や人口数にかかる現状の傾向を変えるに十分な数の出産を女性に促すことのほうがもっと困難ではないか。

☆ 議題2:「適正な人口動態」や「適正人口」は、政策目標となる(すべき)だろうか?

 【Yes派の主な意見】
○ 世の中には、「月刊ねじの世界」、「月刊野宿野郎」といった一部のマニア向けのマイナー雑誌が存在する。こうしたマイナー雑誌は、1万人の読者がいなければ採算が取れなくなり廃刊となる。同様に、国においても、人口減少や高齢化を単なる現象として座視すれば、日本語を話す人口が少なくなるほか、日本が誇るサブ・カルチャーや文化の担い手が減少し、「日本らしさ」が損なわれる。以上より、国全体として、「適正人口」を政策目標として設定することには一定の意義がある。
○ 世界を見渡すと、母国語で医師免許を取るための勉強を完了できる国は、それほど多くない。人口の減少が続けば、医師等の免許を取る際に、英語や中国語で取らなければならない日が来るかもしれず、それは望ましいことではない。
○ 中国や北朝鮮の影響力や国力が増加する中で、一定規模の人口を維持しなければ、国の安全保障を保つことが困難となるのではないか。
○ 無理に子供を産ませるということではなく、出産を希望する夫婦が望む数だけ出産できるようにするのは、公共政策の在り方として、問題視されるものではない(※現在の「希望出生率は1.8%」)

【No派の主な意見】
○ 人口減少それ自体は「現象」にすぎず、問題は、それに適応できない政策や社会の慣習。こちらに目を向けて必要な改革を議論・実行ことが重要であって、「適正人口」が何人か、それを達成するには、どうしたらよいか、といった事柄に議論の時間を費やすのは意味のあることではない。
○ 人口が3,000万人だった江戸時代の日本人が、今の日本人よりも不幸とは限らない。
○ 人口減少自体を問題視すると、一人の女性が子供を産む、産まないという選択の自由を害することになり、倫理上の問題を惹起する。子供を産みたい夫婦向けに社会的・経済的・政策的な壁を取り払うことと、国全体として「適正人口」を設定し、それに向けて政策資源を動員することとは、大きな違いがある。
○ 国全体の「適正人口」を設定すれば、都道府県別、市町村別に出生率の「ノルマ」が課されることになり、結果、有形無形のプレッシャーが、女性にかかることにつながる。
○ 国の力や存在感は人口だけで決まるものではない。世界には人口が日本の半分以下でも、存在感や力を発揮している国は多くある。たとえば、世銀やIMF等の国際会議の場においても、形式的な発言権は、各国の経済規模に応じた出資割合で大小が決まるが、発言の実質的な影響力は、議題に対する理解の深さやコミュニケーション、プレゼンテーションの巧拙によって決まるもの。人口の数を問題にすると、こうした実質的な部分を無視・軽視することにつながる。

文責 池田洋一郎


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グループB

ファシリテーター 斎川貴代 (所属:(株)見果てぬ夢)

メンバー構成 国家公務員 1名、団体職員 1名、会社員 4名、教師 1名、その他 1名 (私塾経営)
年齢は20代 1名、30代 3名、40代 2名、50代 1名、60代 1名

1.自己紹介

○各自の出身地、職業や興味・関心を紹介。
北海道1名、長野1名、茨城1名、千葉1名、岐阜1名、京都1名、名古屋1名、福岡1名の出身者が集結。参加者の興味・関心も、「地域活性化」「町づくり」「女性の活性化」「教育」等、様々であった。

2.少人数で意見交換

2~3人1組になり、「そもそも人口減少は問題なのか」についての意見を出し合った後、その意見を全員に共有した。

【問題である派の主な意見】
◯人口減少、急速な少子高齢化により
・ 労働力の減少、若者と高齢者のバランス(若者<高齢者)が問題
・ 経済力、国力の低下が問題
・ 日本語のユーザーが減り、文化が失われることが問題

【問題でない派の主な意見】
※ 問題ではないという意見が少なかったため、「人口減少のメリット」について意見を集めた。
◯一人一人が使うスペースが広くなる
◯人が少ないと自然環境が守られる
◯単純に子供をたくさん産めば良いというものでは無い

【その他の意見】
◯「人口減少が問題」と言う前に、子育て支援等の整備をすべきではないか
◯首都圏にいると「人口減少」の実感が無い

3.意見の深掘り


【問題である派の意見について】
◯「労働力の減少、若者と高齢者のバランス(若者<高齢者)が問題」という意見については、男女それぞれの視点から意見交換がなされ、さらに「企業の制度(昇進や休暇等)を変えること」「男女の働き方の意識を変えること」「大家族の再興」「移民、難民の受け入れ」という解決策の案にも話が及んだ。「大家族」は、血縁だけでなく、近所等の地縁、コミュニティという考え方を取り入れていくとさらに良いという意見も出された。
◯「経済力、国力の低下が問題」という意見については、経済力・国力の低下は「公共サービスの低下(インフラ、医療、治安、税収、学校等の環境の劣化)」「企業倒産」「国際社会におけるプレゼンスの低下」という現象を招くという意見が出た。(国際社会におけるプレゼンスの低下の裏付けとして、ODA被援助国の人の言葉「お金があるから日本と付き合っている」が挙げられた)

【問題でない派の意見について】
◯「人が少ないと自然環境が守られる」という意見については、「人口が多い方が環境整備に予算があるため環境が守られる」という反論があった。

文責 斎川貴代


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グループC

ファシリテーター 識名由佳 (所属:研修会社)

メンバー構成 国家公務員 2名、会社員 5名、NGO職員 1名

議論のサマリー

1.ディスカッション前の自分の意見
2.他のメンバーの意見からの気づきや学び
3.ディスカッションを通して新たに生まれた意見


☆ 1.ディスカッション前の自分の意見(そもそも「人口減少」は問題なのか?)

【YES派の主な意見】
○少子高齢化により、(生産年齢人口が減る一方で高齢者の方々が増加することで)増加する社会保障費を支える現役世代が減る(すなわち負担が増える)ことが問題

○人口減少により“故郷”がなくなってしまう
○少子高齢化により、次世代を担う子どもたちの負担が大きくなる
○地図に記載されている地名は、過去の災害から付けられている場合があり、人口減少により統合され失う可能性がある
○人口減少によって特に地方のコミュニティが維持できなくなる

【No派の主な意見】
○ 資源が有限であることを考えると、人口減少は、地球全体にとってはプラスとなる
○ 生産人口保持のためには、移民を受け入れればよい
○ 国としては問題だが、個人としてスキルがあれば影響は小さい

☆ 2.他のメンバーの意見からの気づきや学び

○ 過疎化を解決するモデルつくりは、今、夕張や陸前高田で進んでいることを知った
○ 人口減少は、国や個人など主体によって問題であるか否かのとらえ方が異なるのではないか
○ 国全体の人口減少(政策的な遅れ)のしわ寄せが、頑張ろうとしている自治体の足をひっぱっているのではないか
○ 地域活性化は誰のために行うのか?経済的にメリットがあっても社会的に成り立たない対策まで行うべきかは疑問
○ 対策の一つとして「女性のリアルな声を聞くこと」が重要だと思った。産みたくない人の声を聞いて広めたらよいのでは
○ 国として社会制度全体を変えていく必要があると思っていたが、解決策そのものも(特に地方は)ケースバイケースで考えるべきだと思った
○ マクロレベルで人口減少が問題となっていることと、個人レベルでその状況に納得するかどうかは、別の問題だと感じた
○ 少子高齢化の問題は日本にとって非常に深刻であることは間違いないと思う。既存のシステム・制度が待ったなしの変革の必要性に迫られていることが分かった。それに加え、個人としては経済的尺度とは違う幸福の追求も1つの解決策になるのではないかと感じた
○ 陸前高田の人口回復を諦めることは、他のすべての地方の人口回復を諦めることと同等だと感じた
○ 東京は子育てがしにくい地域であるということを知った
○ 日本人は贅沢をしすぎであり、よりシンプルに暮らすこともできるのではないかと感じた
○ 過疎化地域、東京、日本、世界、それぞれの視点で、全然考え方が違うのだと感じた。
また、それらの間の妥協点を見つけるためには、専門性のある意見交換と事例をつくる必要がある(視野が狭くならないように)
○ 未来に残したいのは、コミュニティなのか、それともコミュニティの文化なのか?両者の違いは重要だと感じた
○ 人口減少という問題に対して、「移民政策」のような解決策が取り上げられるが、そもそもいつまで日本に外国人が来てくれるのか…という意見を聞き、前提だと考えていた事から考え直す必要があると感じた
○ 陸前高田市は、東日本大震災による人口減少で課題先進都市になっており、今後学ぶべきところが多いではないかと感じた

☆ 3.ディスカッションを通して新たに生まれた意見

○ 「問題だと考えられていることは、果たして誰にとっても問題なのか?」ということを考えることが重要
○ 地域の問題の解決に際しては、その地域に住んでいる人の実際の声を聞くことが重要
○ 問題が起きるまで対策を考えないのは、もったいない。過疎化はもうはじまっているのであり、事前に手を打ちたい
○ 「地域のにぎわい」という言葉一つをとっても、色々な定義がある。見方は1つではない
○ 問題を包括的に考えることが大事
○ 過疎化地域は、コミュニティそのものだけでなくコミュニティの文化も残したいはず。移民を受け入れる際には、日本の価値観を知ってもらうことも大切。その上で、日本の文化と海外の文化が混ざることは、悪いことではない
○ 現場目線、現場から離れた目線、日本の目線、世界の目線、はそれぞれ全く違う。これらの間で折り合いをつけるのは容易ではない。実際に会って話しをすることが大事
○ 経済の問題(稼げるかどうか)と社会の問題(幸せに暮らせるかどうか)は、ともに大切。片方だけのことを考えてはいけない

文責 識名由佳


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グループD

ファシリテーター 田中健一 (所属:北京天衛診療所)

メンバー構成 国家公務員 2名、団体職員 1名、会社員 4名
年齢は20代 1名、30代 2名、40代 2名、50代 2名

1.自己紹介

○本イベントに参加した理由について説明

2.人口減少について挙手による意見表明。

(「問題でない派」は2名のみ)
【問題である派の主な意見】
◯国債が暴落する
◯社会保障費がアップする
◯変化に対して対応できない

【問題でない派の主な意見】
◯制度変更により対応できる
◯その時にはその時の風が吹く

【哲学的な意見】
◯日本人の定義とは何か。人口とはどこの人口として定義するかについて共通認識にたっておかないと、移民を受け入れるにせよ、受け入れないにせよ、感情論から脱せないと思う。

3.意見の深掘り

【問題である派の意見から】
○長期債務がふくれデフレを起こすと、企業は外に逃げ出し、税収を払う層がなくなってしまう。アルゼンチンのように広大な農地もなく、ロシアのように原油を産出できない国は、存続が不可能になる。
◯ 新人が入らない企業では、組織が硬直化し、ますます変化ができなくなる。さらに、現状維持を嫌う国民性の中で、個人が自立することは無理ではないか。この環境下では新たな制度をつくることはできず、時間だけが無為に経過してしまう。
○前提ありきの制度で我々は生活している。その感情の中では、日本人は制度を作れない。負のスパイラルが進行することにより、ますます制度を作りにくくなってしまう。レッセフェールに陥ってしまう。


【問題でない派の意見について】
◯国民の世論を操作することにより生活レベルは下がっても、「絆」でアジャストできる。これをするためには独裁制を敷き、強いリーダーシップが発揮できる仕組みが必要になる。
○ 独裁でもなく、変化もしないというのであれば、尖閣諸島の売却や、(それでも足りなければ)北海道・九州まで手放すことを視野に入れれば、このままでも対応できるのではないか、という唐突だが矛盾はしない意見もあり。

【次回への問い】
◯未知のものに対してどちらを選択すれば良いのだろうか?
・受容の恐れ
・変化の恐れ

文責 田中健一


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グループE

ファシリテーター 田中里沙 (所属:横浜市←総務省から出向中)

メンバー構成 大学生 1名、市役所 1名、国家公務員 3名、団体職員 1名、会社員 2名(エネルギー系、NPO)
年齢は20代 4名、30代 2名、40代 4名

1.自己紹介

○各自の出身地、職業、趣味を紹介。
埼玉2名、東京1名、千葉1名、三重1名、京都1名、大阪1名、兵庫1名と、都市や地方の各地の出身者が集結。《TBU》

2.他己意見紹介

2人1組になり、相手方が「そもそも人口減少は問題なのか」についてどう考えるかを相互に聴き合った後、グループ全員にペアの相手方の考え方を紹介。

【問題である派の主な意見】
◯人口減少、急速な少子高齢化による
・若者と高齢者のバランス(若者<高齢者)や、都市地方のバランス(地方から都市への人口移動)が問題。
・医療、介護を中心とした社会保障費が増大する一方、労働力人口の減少による税収入が減少することにより、行政が提供できるサービスが限定的になってしまうことが問題。
・税の配分は子育て施策よりも社会保障施策にウェイトがかけられ、少子化を解決できない。

【問題でない派の主な意見】
◯人口減少に併せて、社会制度や行政サービスの在り方を変え、ソフトランディングさせていけば、
人口減少そのものは問題ではない。
◯一人当たりGDPが維持されるならば、人口減少そのものは問題ではないのではないか。
◯毎年2%ずつ人口が増加している中東の国では、雇用の場で需給のミスマッチが起きている。人口
減少によるダウンサイジングは、適正雇用の観点からは妥当ではないか。
◯限りある資源の有効活用を考えると、エネルギーの供給の観点からも、適正な人口規模を維持するのであれば人口減少そのものは問題ではないのではないか。

【条件付き派の主な意見】
◯現在は、資産(マネー、土地、財産価値があるもの)は持つ者が(貯蓄や承継等により)持ち続け、
持たざる者には資産が配分されない社会の仕組みとなっている。人口減少・少子高齢化社会では、その仕組みがより一層固定化される。再配分の仕組みが機能しない限りは、人口減少は問題。

3.意見の深掘り

【問題である派の意見について】
◯人口減少そのものというよりは、減少の速度が急速であるため、社会制度、行政サービス等の変革がその速度に対応できないことが問題である。
◯急激な人口減少、少子高齢化により、地方経済の衰退、国土の荒廃、文化の衰退・消滅、
ひいては日本の経済成長の阻害等を引き起こすと考えられる。

【問題でない派の意見について】
◯問題ではないという意見は、人口減少により「適正人口」の状態を前提とすると、人口減少そのものは問題ではない、という考え方に集約されるのでは。
→「適正人口」を前提とすると、例えばゴミ処理の問題等に対しては、人口減少はプラスに寄与するもの。
→食糧の供給についても同様。
◯一方で、「適正人口」がどういう規模・構成であるかにはよるが、当面の少子高齢化、労働力の
減少に対しては、(期間限定での就労になるであろうが)一定程度の移民による労働力の確保も必要な前提となるのではないか。
【条件付きの考え方について】
◯現行の制度にとらわれずに、例えば課税制度をドラスティックに変えるなど、人口減少に合わせた制度の変更を行うという条件で考えるとどうか。
◯また、国の枠組みにとらわれずに、例えば日本の保険制度と成長市場であるインドネシアの保険
制度を統合運用してはどうか。日本にとっては保険者人口の増加がメリットに、インドネシアに
とっては安定した保険制度がメリットになるのでは。

文責 田中里沙


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グループF

ファシリテーター 田中宗介 (所属:経済産業省)

メンバー構成 会社員 6名、学生 1名、国家公務員 1名

1.自己紹介

○ 本イベントに参加した理由と、人口減少に対して思うことを、各自一言ずつ発言。

2.メンバーから出た主な意見
(人口減少を問題視しない意見が中心であった。)


【問題でない派の主な意見】
◯自身がIターンする予定。Iターン先では外国人労働者と野球の独立リーグを立ち上げる。移民も1つのソリューション。

◯アジアの人々は日本に憧れており、日本が好意的に見られていれば交流人口増加が見込まれる。
◯少子化と長寿命化によって、相続問題が複雑化(親子への相続よりも、兄弟・親戚等への相続が増加するため)し、プロ(行政書士)の出番が増えるため仕事が増える。また、単純労働者受入れが進めば、就労ビザ等の業務も増える。人口の減少よりも、一人あたりの所得の増加が重要。

【その他の意見】
◯アジア等の諸外国の企業では、女性幹部によく出会う。日本でも男女問わず登用される社会になれば良い。
◯人口の偏在が問題。東京はより人口が減った方が暮らしやすい。
◯人口減少はずっと議論されているのに、状況は変わっていない。真面目な議論が行われているのか。また、過去に振り返れば、1990年頃までは「人口過密」が議論されていた。その時々で問題視はするが結局解決策は生み出されていない。
◯GDPにこだわる必要はあるのか。それでも自身は(所得の高い)東京で会社員をしている。

3.意見の深掘り

【豊かさとは何か】
◯経済成長を求め、外貨を稼ぐ。ライフスタイルにおける欲求を満たす。その結果、コミュニティは豊かになったか?
◯コミュニティにうまく馴染めずに自殺する人は多い。コミュニティに入れないと生きられないのに、心の豊かさを追えていない。
◯バブル時代、タクシー利用もリゲインを飲むのもGDPにはプラスとなるが、幸せにはマイナス。

【関心の方向】
◯人口の減少は多様性の喪失に繋がるのではないか。
 多様性の喪失は創造力の減少に繋がり、コミュニティや心の豊かさに繋がるかも知れない。
◯自身の生きる環境を創り出せる人が幸せになれる(仕事の創造、充実した生活)。自分で考えられるような人材の育成が重要ではないか。
◯人口の減少に対応すべく、生産性を向上させたとして、少子化は解決するのか。
今と同じく、忙しく働くだけではないか。

【メンバー間の議論が不十分だった内容】
◯女性の社会進出や少子化への対応

文責 田中宗介


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グループG

ファシリテーター 西村洋平 (所属:経済産業省→PEファンド)

メンバー構成 大学生 1名、会社員 4名、経営者 1名、国家公務員 2名
年齢は20代 3名、30代 3名、40代 2名

1.自己紹介

○各自の名前、職業、今回のテーマに関するスタンス(問題である/問題でない)とその理由/背景を紹介。

2.フリーディスカッション

〇当グループでは、人口減少について問題でないというスタンスの方が多かったため、まずはそちらのスタンスについて深掘りをした。その後、(敢えて)「問題である」という論点を挙げつつ、各人のバックグラウンドに則った意見を出し合った。

〇最初の1時間半程度で全員によるディスカッション、その後は、8人を3つのグループに分け、議論を深めた後に全員に共有した。

【問題でない派の主な意見】
◯(個人)
・ハッピーに生きるかどうかが問題であり、GDPと個人のハピネスには相関関係はないのではないか。自分単位でモノを考える視点に立って日々の生活を営むべき。
・昔は農業が生活の中心であり、その働き手として必要だから家庭が自然と子どもを多く産んでいた。子どもが成長しても、自分の家庭が所有する農地で生産活動を実施すればよかったため、教育へのコストもあまりかからなかった。他方、今は生活場所と生産場所(=金を稼ぐ場所)が離れており、教育にも多くのコストがかかってしまうため、多くの子どもを養うことは難しくなっている。自然と選択されてきた行動であるため、何も問題は無いと思う。
→バングラデシュの主な産業は、縫製と農業である。昔の日本と同様、この(労働集約的な)産業に必要であるから、子どもの人口は増加している。
・人口減少は地方で問題になると言われているが、リニアモーターカーなどの交通機関やITの普及により、地方で暮らす若者も増えている。
〇(企業)
・海外売上比率は上昇しており、国内需要が低下しても、売上にさほど大きな影響は無くなっている(=国内需要の低下に、企業経営の戦略はうまく対応している)。生産現場も海外に出ており、為替リスクも排除されつつある。
〇(国・政府)
・そもそも現状の制度は、人口増加を前提とした設計になっている。人口減少に対応できるように制度を大幅に変更することが必要であり、人口減少を「問題であるが故に対応せねばならない事項」として捉えるのは筋違いなのではないか。

【問題である派の主な意見】
〇(国・政府)
・地方では、人口が減少することで、農業用水の管理ができていないなどの身近な問題が多く生じている。
・社会保障など、社会的なコストを負担する人口の割合が減少し、一人当たりの負担が増加することは大きな問題。高齢者に有利な政治になっている現状では、この問題を政治的に解決するには非常に長い年月を要するのではないか。
〇(企業)
・人口が減少して内需が小さくなると、国内でのテストマーケティングができなくなり、ひいては海外での競争力も弱体化するのではないか。まずは最も知見があり、言語の壁も無い国内マーケットで数回の実験を経てからでないと、海外市場に出て行くということは非常に怖い。
・また、最も知見のあるマーケットが縮小すること自体も、海外展開やM&Aなど、今まであまり手を出してこなかった手法を用いないと、売上の増加が見込まれないため、経営としては難易度が数段あがったと感じる。
・地理的に人口が減少している地域の労働集約的な産業では、需要も減少するものの、それ以上に労働供給量が減り、人手不足に陥る。
〇(個人)
・同世代の友人が少なくなることで、孤独感を感じることが多くなるのではないか。例えば、小くいのではないか。
・世代内の競争が減少することで、大人になったときに、対海外での競争に打ち勝てるような精神力が鍛えられないような気がする。実際、団塊の世代と自分たち(20~30代)を考えると、競争心という意味では、団塊の世代に軍配が上がるように感じる。

文責 西村洋平


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4.今後の予定

今回の議論を足場に、今後、2月28日(土)に第一弾、4月の上旬を目途に第二弾の、「再設計!日本経済・社会の仕組み ~ 人口現状に適応できる経済・社会の構築に向けて~」をテーマとした異業種ディスカッション大会を開催いたします。


(1) 第一段ディスカッション大会(2015年2月28日(土))

―あなたのグループは、「ある市」の市長を支えるボード・メンバーに任命されました。市長から提言を求められた課題は「”この市”で、少子高齢・人口減少社会に適応していく上での最大の課題は何か?それをどのように解決していくべきか?」―
グループ・メンバーが生まれ/育った自治体、馴染みのある自治体の中から一つを選択し、変わりゆく外部環境を踏まえ「適応する」とはどういうことか、そのために取り組むべき最大の課題は何か、実現可能で、イノベーティブなソリューションとは?といった論点について、10人程度のグループでグループワークをします。

また、議論に先立ち、「前哨戦」における議論のサマリーをご紹介します。そして、2011年7月から3年間、尼崎市理事として市長の右腕となり市政の最前線で活躍してきたスタッフの福嶋慶三より、尼崎市における人口減少・少子高齢化の現状と課題についてご紹介します。



(2) 第二段ディスカッション大会(2015年4月上旬目途)

第二弾では、第一弾からさらに日本全体に視野を広げた、課題別(財政・社会保障制度及び労働慣行の見直しの方向性、移民受入れの是非、企業による海外展開、外国人・企業のより一層の受け入れ等)のディスカッション大会を行う予定です。

※なお、上記はあくまでも現時点での予定であり、よりよいディスカッションとするために内容が変更になる可能性もありますこと、ご了承ください。


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