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官と民の壁、職種の壁、年齢の壁・・・
私たちの身の回りにある様々な目に見えない「壁」をCross-overし、
多様な「人財たち」がより良い社会の実現に向けて協働するきっかけを創り出す触媒、
それが官民協働ネットワーク Crossoverです。
     

Crossover21 Bangladesh Study Trip 2012 報告





「バングラデシュの今を、五感の全てで感じ、学ぶ旅」

こんなフレーズのもと、8月27日から9月1日までの1週間、Crossover21 Bangladesh Study Tripを実施しました。

このトリップは、2011年8月より世界銀行のバングラデシュ現地事務所に赴任中のCrossover21スタッフ代表の池田洋一郎が、同国で培ってきた日本人、ベンガル人の友人達とのネットワークを活かして企画、10名のCrossover21の会員及びスタッフの参加を得て実現したものです。

参加者の職業はITベンチャー経営者、医師、中央省庁職員、セラピスト、金融機関スタッフ、システム・エンジニアなど、Crossoverらしく多彩。到着する飛行機のスケジュールもバラバラ。

しかし、ありのままのバングラデシュを自分の目で見たい、知りたいと言う強い好奇心と軽いフットワーク、そして、そこから何かを学び取ろうという向上心は、旅を共にした仲間の共通項でした。

刺激に満ちた一週間の旅の経験と学びを広く共有するべく、以下の通り

一週間の旅の概要

テーマ別の詳細報告

トリップ参加者による報告会(11月17日(土)開催予定)のご案内
  (http://www.facebook.com/events/368462756576822

としてまとめましたので、ご覧頂ければと思います。

なお、バングラデシュの一般概況については、参考資料「バングラデシュの持続的な成長に向けた世界銀行の取組み」(代表池田洋一郎による、世界銀行東京事務所での講演資料) をご覧ください。



Crossover 21 Bangladesh Study Trip 2012 旅の全体感


初日:
 ダッカ市の家庭ごみ処理事業見学、
 市の担当職員との意見交換

人口増加、経済活動の活発化と相まって深刻度を増すダッカ市のごみ問題。

Crossover21のメンバーは、3名の現役青年海外協力隊の力を借りて、JICAが長年力を入れて支援をしているダッカ市の家庭ゴミ収集・処理事業(正式名称:ダッカ市廃棄物管理能力強化プロジェクト)について、ゴミの一次収集から最終処分までのサイクル、及びこれまでの成果と今後の課題について学びました。

写真は、ダッカ市内各所に設置されているゴミ収集コンテナ。

作業員の衛生・安全・そしてモチベーションの管理は、ゴミ処理改善事業の成功のキーポイントです。



初日夜から三日目まで:
 農村(チャンドプール県ハムチャ村)ホームステイ
 郡病院、村の診療所、及び都市と田舎の教育格差是正にむけた
 ソーシャル・ビジネス「E-Education」訪問


バングラデシュの1億5千万人の人口の約8割は農村部で暮らしています。

青々とした水田が広がるバングラデシュの農村は、どこか日本の田舎を思わせる懐かしい美しい風景と、人々の人懐っこい笑顔に満ちています。

一方、農村部は、質の高い医療や教育へのアクセスにおいて、都市部には見られない大きな問題を抱えています。


ダッカの河の玄関口である「ショトルガット港」を夜11:30に出港する夜行船で出発したCrossover21のメンバーは、ダッカから100キロほど南に位置するチャンドプール県ハムチャ村を目指し、そこで、ダッカ大学の学生であり、社会起業家でもあるマヒン君の実家でのホーム・ステイの機会を頂きました。

写真は、ハムチャー村近くの港の茶屋で、ものすごい数のベンガル人に取り囲まれるトリップ・メンバー。

人と人の距離が近い!!


この地で、Crossover21のメンバーは、郡病院や村の診療所への訪問し、出生率の抑制にむけた現場の取組みや、地方医療の現状を学んだほか、都市と田舎の教育格差を是正すべくマヒン君が立ち上げた「e-Education Project」の現場を見学、当地の学生たちと交流をしました。

写真はe-Educationが無償提供するプログラムを受講する、村の女子高校生たちの様子です。


ダッカの一流予備校で教鞭を取る有名講師の授業を収録したDVDを使った「遠隔講義」により、これまで大学進学者が一度も出たことの無い村から、何人もの高校生が、バングラデシュ最高学府であるダッカ大学を始め、多くの大学に進学するという奇跡が現実のものとなりました。

素晴らしいソーシャル・ビジネスを持続的に展開するには何が必要か、そのために、僕たちは何が出来るか、日本に持ち帰ることの出来る学びは何か、美しい農村の風景の中で、一人ひとりが深く考え抜き、そしてお互いに語り合った時間でした。



四日目:
 グラミン銀行訪問、職員・幹部との意見交換

いまやソーシャル・ビジネスの代名詞ともいえるグラミン銀行。
2006年10月のノーベル平和賞受賞以来、マイクロファイナンスは持続的な貧困削減に資するツールとして、世界中の脚光を浴びています。

一方で、20%とという金利水準等を巡って多くの議論や批判が有るのも事実です。

Crossover21のメンバーはグラミン銀行の地方都市での支店における借り手女性達やスタッフとの交流、本社での幹部との意見交換等を通じて、そのビジネス・モデルの核心に迫りました。

 

「借り手の女性たちはいくら、何のために、グラミン銀行からお金を借りているだろうか?」、「グラミンの貸付は、女性たちの生活にどのような変化を齎したのだろうか?」、「グラミンのスタッフは顧客である農村の女性達と、貸付を通じてどのような関係を創っているのだろうか?」

数々の問題意識を沸騰させながら訪問したグラミン銀行の支店及び「借り手センター」では、数十人の借り手女性及び、グラミン銀行の支店職員との密な対話により、その実像をつぶさに学ぶことが出来ました。


写真は、グラミン銀行本店で、創業者のユヌス博士を囲むCrossover21のメンバー。

グラミン銀行がその30年の歴史のなかで経験した危機と失敗、自己変革、そして顧客に提供する数々の商品ラインアップの背景にある基本哲学について、忌憚のない意見交換を通じて多くの気付きや学びを得ることが出来ました。



五日目:
 ダッカ市内探訪

人口1,500万人を要するメガ・シティ、ダッカ。
急速な都市化は、経済成長の源泉となる情報の集積、豊富な雇用機会、そして旺盛な消費力を持つ中間層や高所得者層を生み出しましたが、同時に、様々な社会問題をも引き起こしています。

こうしたダッカ市の現状と課題について学ぶべく、Crossover21のメンバーは、バングラデシュの主要輸出産業である牛革加工場が密集するハザリバーグ地区、中古船舶の修復工事現場、そして、そうした工場自体で働く労働者などが暮らす線路脇のスラム等を訪問。

都市化や経済成長の歪がもたらすチャレンジの最前線で生き、働くダッカの人々と向き合いました。

   

写真左は、中古船舶の修復工事現場での一幕。
地上から数メートルの高さにある船の甲板まで、細い板をつたってよじ登る。メンバーが最も冷や汗をかいた瞬間でした。

写真右は、ハザリバーグの牛革加工工場を奥深くまで入るCrossover21のメンバーの様子。
マスク無しにはめまいがするような異臭の中、エメラルド・グリーンの工場排水が市内の川へと直接流れ込む様子をダイレクトに目にしました。



六日目:
 NGOが経営する小中学校訪問

この日は乗用車の利用禁止!

リキシャ、CNG(天然ガスで動くオート三輪)、ティンプ(軽トラックの荷台を改造した乗り合いバス)、そして小舟などなど、ベンガル人が日常的に使う交通手段のみを利用して地方都市へと移動します。

向かった先は、ダッカから北へ約40キロ、ガジプール県ミレルバザール地区。

そこで活躍する青年海外協力隊の友人を訪問。彼が関わる学校プロジェクトや地方都市の暮らしを堪能しました。

写真は美しい緑の中を小舟で川下りする様子です。

余りの心地よさに一同、眠気に抗う気力なし。





日本の4割ほどしかない国土に1億5千万人もの人々がひしめき合う国、バングラデシュ。

日本ではとかく「洪水」、「貧困」、「ソーシャル・ビジネス」といった枕詞と共にしか語られないバングラデシュですが、その実情は、新興国としての躍動感と可能性に溢れ、同時に、厳しい試練とダイレクトに向き合い、それを受け入れる人々の生きる力に満ち満ちています。

 印象的な出会いと学びの機会に満ちた一週間を通じて、トリップに参加した一人ひとりは、この国の最大の資産であり魅力である「人々」とダイレクトとに語り合いながら、日本では決して経験出来ない、眼には見えないけれど大切な何かを、感じとり、学び取る得ることが出来ました。

経済成長著しい喧騒のメガシティ・ダッカから、緑いっぱいの農村まで、バングラデシュを彩る様々な現実に飛び込むべく、早朝から深夜までビッチリと詰まったイベントをこなすスケジュール、そしてローカル・レストランやホームステイ先で、現地の食べ物を右手でそのまま頂くベンガル人スタイルを貫くという荒削り且つ強行軍のスケジュールでしたが、大きな怪我・病気・事故もなく、皆、日本での生活を再スタートしたようです(多少の下痢に悩まされた仲間はおりましたが…)。

超濃密なトリップを経験した10名のメンバーが至った結論、それは

「今が旬、行ってみよう、見なきゃ分からん、バングラデシュ!!」

そんな、貴重な機会を創ってくれたバングラデシュの友人達に、この場を借りて、心からお礼を申し上げます。

「ショバイケ・オネク・ドンノバート(皆さん、本当に有り難うございました!)」

「アムラー・アバール・アシボ(また来ますよ!!)」





テーマ別の詳細報告へのリンク


ダッカ市廃棄物管理能力強化プロジェクト
  『この街のゴミは誰の手で、どこに向かうのだろうか(その1~4)』
  http://ikeikeyouichirou.blog.fc2.com/blog-entry-59.html

e-Education プロジェクト
  『農村の若者達が教育機会を手にするには何が必要か(その1~3)』
  http://ikeikeyouichirou.blog.fc2.com/blog-entry-63.html

グラミン銀行
  『グラミン銀行 ~信頼を基盤とする金融は如何に創られるのか~(その1~7)』
  http://ikeikeyouichirou.blog.fc2.com/blog-entry-66.html

牛革加工工場地帯ハザリバーグ
  『牛革と引き換えにどれほどを失うのか ~ハザリバーグという街の物語』
  http://ikeikeyouichirou.blog.fc2.com/blog-date-201201-2.html

船舶修復現場
  『何故世界中の船がバングラデシュに流れ着くのだろうか』
  http://ikeikeyouichirou.blog.fc2.com/blog-date-201202-2.html


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