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官と民の壁、職種の壁、年齢の壁・・・
私たちの身の回りにある様々な目に見えない「壁」をCross-overし、
多様な「人財たち」がより良い社会の実現に向けて協働するきっかけを創り出す触媒、
それが官民協働ネットワーク Crossoverです。
     

第10回異業種ディスカッション大会 開催報告


「再発見! 世界の中の日本、日本の中の世界」

~日本の、日本人の真の強みは?課題は?
  国際社会における日本の、日本人のアイデンティティとは?~




~スタッフ代表より全体総括~


1.全体を通して

「再発見!世界の中の日本、日本の中の世界」とのコンセプトの下、日本で学び、働く外国人の方々も交えて2月11日に開催した「第10回異業種ディスカッション大会」。当日は雪の降る中、約140名の方々にご参加頂きました。

参加者の職業を見ると、様々な企業で働くビジネスパーソン、NGOやNPOで活躍するスタッフ、自治体・中央省庁で働く公務員、国会議員の政策スタッフ、弁護士、医師、会計士の方、小学校の先生、ジャーナリスト、企業経営者、ソーシャル・アントレプレナー、大学の職員、技術研究所の研究員、そして学生などなど実に多彩。

参加者の年齢も、20代、30代を中心に、高校生から定年退職後も社会活動に汗を流されている60代の先輩方まで幅広い年齢層が肩を並べて語り合いました。

上記の通り、今回は、Crossover21としては初めて、在日の外国人の皆さんに参加頂くべく、広くお声掛けをしてきました。その結果、
中国、韓国、ミャンマー、インドネシア、インド、タイ、アメリカ、オーストラリア、ドイツ、ルクセンブルク、ギリシャ、スイス、ルーマニア、ケニア、コートジボワール、ナイジェリアと16カ国から約40名の外国人の皆さんに参加頂くことができました。


冒頭、スタッフを代表して私からプレゼンテーションを行いました。その中で、Crossover21のビジョンとして、「政治や行政だけでなく、企業、NGO/NPO、大学、メディア、シンクタンク、そして何より個人が、協働し、競争しながら、よりよい公共サービスを提供し、そして社会問題解決の担い手となっていく「政策市場」の実現」を掲げました。

そして、これを追求するためには、一人一人が、「会社/大学/世の中/日本/世界は、どうせ変わらない…/政治・行政はけしからん」という受け身の姿勢ではなく
「自分の身の回りの世界から変えてみよう」という積極的な姿勢を持ち、さらに「自分は“会社員”ではなく、“社会員”なのだ」という意識を持って、日常を変えていけるパワーや共感を得ることのできる、「非日常空間」としてのCrossover21の異業種ディスカッションの意義を強調しました。


また、プレゼンテーションでは、その後に続く議論のたたき台として、「日本の強み・弱み」について、

① 事前に参加者の皆さんからアンケートで伺ったご意見、
② 1月末のダボス会議で提示された「Global Competitiveness
   Report」における日本の評価、
③ 代表的な知日派知識人である、ジョセフ・ナイ、
  エズラ・ボーゲル両ハーバード大学教授の指摘、

等を紹介しつつ、「日本の強み・弱みを再発見」するための素朴な疑問、例えば、

① 日本人の宗教は?
② 日本で電車が時間通り来るのはなぜ?
③ 「音姫」はなんのため?
④ なぜ、自動販売機が町中にあるの?

といった問題提起をし、参加者間のダイアローグを行いまいた。



2.第一部 ディスカッションについて

140名の参加者は、事前に頂いた希望を踏まえて、一グループ10名前後の小グループに分かれ、2時間半のグループ・ディスカッション・セッションに臨みました。

ディスカッションでは、

① 日本人・日本組織の働き方、②教育の在り方
③ 安全保障分野での貢献
④ 製品・サービスの安全・安心へのこだわり
⑤ 医療や福祉の在り方、⑥各種インフラの整備
⑦ 環境分野での貢献、

といった内容について、日本人が海外に出て日本をどのように再認識したか、外国人が日本に来て、母国との比較で、日本がどのように映ったか、という視点を交えつつ議論をしました。


日本が「失われた20年」の中にあると言われ、今後も少子高齢化やデフレーションという構造的なダウンサイジングの中にあって、その弱みや課題ばかりが強調されがちではありますが、ディスカッションの中では、

「日本では当たり前のことが、実は世界では稀有の強み・資産なのではないか」
「日本が直面している課題は、中国やインドといった新興国も含め、世界中の国々が今後直面する課題。そういう意味では、日本は「課題先進国」
と言える。日本人が、外国人の知恵と手も借りながらこうした課題と真正面から向き合えば、「課題解決力」を世界に提供できるのではないか」

といった発想の転換を共有しました。その上で、

「日本が持つ資産を活かすも殺すも人材次第」
「また、世界中の人々が「働きたい、学びたい」という国にするには、
外国人の生の声に耳を傾けることが不可欠

との問題意識で、参加者一人一人が主役となって、問題意識や問題解決のためのアプローチや発想法をぶつけ合いました。

あっという間に過ぎた2時間半のディスカッションに続き、13のグループが、壇上に立って、模造紙などを使いながら、グループでの議論の結果を共有する「3分間プレゼンテーション」を行いました。



3.第二部 懇親会について

今回は、第一部に参加された方の9割以上が懇親会にも参加されました。

懇親会の目玉は
「お国自慢大会」「日本の強み・弱みクイズ」。「お国自慢大会」では、インド人による歌と東海道五十三次の暗唱?!、ミャンマー人による故郷の歌の熱唱、中国人による太極拳の披露、オーストラリア人による気迫漲る体道、そして、日本人による剣道や合気道の披露と、大いに盛り上がりました。

その後「日本の強み・弱みクイズ」では、参加者が5名程度のグループを作り、日本の強み・弱みについて、スタッフが調べ上げたマニアックな情報を元に作ったクイズに頭を悩ませました。

懇親会は20:30に終わりましたが、その後も熱気冷めやらない約60名の参加者で、茗荷谷駅前のレストラン「バンビ」を貸切って、日付が変わるまで語り合いました。



4.総括

もっとも印象的だったのが、日本人も外国人も、
参加者一人一人が、意識が極めて高く個性的でな「濃い人財」ばかりであったこと。
各分野で活躍する濃い人財があれだけの数集まり、そして時間の経過を忘れて議論するというのは、
「日常を相対化し、新しい発想や意欲の源となる「非日常」に我が身を浴したい」という「渇望」を持っている人財が非常に多いということではないかと感じました。

その
人財同士がつながり、人間関係を深めていけば、将来、社会を、そして一人ひとりの人生を、ポジティブな方向に変革していく上で、あるいは、思わぬ災禍に見舞われた際に、それを乗り越える上で、大きな力になるのではと思っています。

Crossover21は今後も、そんな人財たちが集い、お互いをinspireし合えるような「触媒」であり続けたいと思っています。

官民協働ネットワーク Crossover21
スタッフ代表 池田洋一郎


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~各チームのグループディスカッション概要~




A. ここがスゴイ!ここがヘンだよ! 日本の職場・日本人の働き方
  川合淳一 (ブレンド・システムズ代表)

B. 日本の大学を世界の人が学びたい!と想う場所にするには?
  東慶一 (立教大学大学院生(物理学専攻))

C. 地球の未来のために、日本は伝統や先人達から何を受け継ぐべきか?
  佐藤正弘 (地球サミット2012Japan、InterGreen、金融庁)

D. 日本が世界と協働して、持続可能な社会を創るには?
  川嶋悟一 (持続可能な社会プロデューサー、内閣府)

E. アジア・世界の平和構築に向け日本は安全保障で何をすべきか?
  川田慎也 (防衛省 (内閣府出向中))

F. 国際社会で通用する人財を創る、人財となる!には何が必要か?
  池田洋一郎 (財務省)

G. 日本のインフラは世界に輸出できるのか?
  大谷竜 (産業技術総合研究所)

H. 日本の医療、日本の社会保障制度の強みと弱みとは?
  田中健一 (北京天衛診療所)

I. 日本人・日本社会は「安全・安心」に拘りすぎなのか?
  田中宗介 (経済産業省)

J. グローバル化する日本と在日外国人の活躍・貢献について
  金桂紅 (コンサルティングファーム)

K. 「来て見て分かった、出て見て分かった日本の強み、弱み、とは?」
  加藤ヒゲ康広 (玉川大学脳科学研究所)

L. 「来て見て分かった、出て見て分かった日本の強み、弱み、とは?」
  中野和美 (金融機関)

M. 国際社会で通用する人財を創る、人財となる!には何が必要か?
  福嶋慶三 (環境省)




A.ここがスゴイ!ここがヘンだよ! 日本の職場・日本人の働き方

1.全体の流れ

○ まず「ここがスゴイ!」と「ここがヘン!」を各自が発言。それを日本の職場のイメージと合わせて付箋に記載。
○ 上記「スゴイ」と「ヘン」について、模造紙に原因と結果に分けてプロット。
○ その後、原因と結果を、時代の変遷と合わせて列挙。
○ 最後に全員で結論を共有・議論した後、発表。

2.「スゴイ!」で挙がった日本の職場の特長

① 品質管理の徹底さ(細部まで完成度を高める、ルールを守る、期待値よりさらに上を求める)
② 温泉文化(思いやり、ホスピタリティがある。空気を読むことを求められる)
③ 成熟さ(各自の能力が高い)

3.「ここがヘン!」で挙がった日本の職場の特長

① 部分最適 (細かいところに拘りすぎる、プレッシャーが高い、詰め込みが過ぎる)
② 保守的(和を乱すと疎ましがられる、敗者復活が難しい、男女参画の意識が薄い)
③ 非効率、遠回り、神経質(お金の話がしにくい、挨拶が過度だが、怠ると無礼だと言われることがある)
④ 幸せを感じていない(欝や自殺が多い)
⑤ コミュニケーションに問題がある(分からないことを聞かない、聞けない)

上記を原因と結果に分けながら、具体的な体験談や議論を深めた。その後、高度経済成長期から未来の予想まで、個人と社会との関係性の変化を踏まえつつ、時代の変遷と共にどのような変化があったかを議論し発表。



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B.日本の大学を世界の人が学びたいと想う場所にするには?

1.現状分析

① 強み
(1) 日本の大学自体の強み
○ 研究レベルは高い。
○ サークル活動があり友達が作りやすい(海外は勉強が大変でサークル活動は盛んではない)
○ 時間に余裕があり、起業や活動等勉強以外のことを行う時間がある。

(2)学生のサポートの関わる社会の強み
○ アルバイト先があるので働きながら通学が可能。(アフリカ等では難しい)

② 弱み
(1) 日本大学自体の弱み
○ 学生が授業に参加しない(授業をただ聞いて90分終了。先生も質問をされても質問されることに慣れていないようで、「それは個別に」といわれてしまう)
○ 日本に留学しようと思っても、日本の大学、そしてその研究者のHPが英語になっておらず、何を学べるのかがわからない(情報発信力の欠如)
○ 学生は、日本人は日本人、留学生は留学生で集まる傾向がある
○ セメスターの時期が日本は4月開始、海外は9月開始であり、その差異により、時間のロスが発生する
○ 大学のビジネス視点の欠如
○ 日本人の海外経験が不足しており、外国人と一緒に議論しても議論にならない
○ コミュニケーション能力、プレゼン力が鍛えられない

(2) 学生のサポートに関わる日本社会の問題
○ ビザがなかなか降りない
○ 家を借りるのに日本人保証人が必要。「留学生お断り」の不動産も多い
○ サービス残業が一般的であり、夜間学校に通おうと会社を出ると睨まれる)
○ 海外の学位が昇進・給与に反映されない
○ 親の金で大学に通学している人が多く、その価値を身に沁みて感じていない

2.改善策(弱みを強みに変える)

① 大学、研究室のHPを英語にする
② 留学生のみ9月はじまりを認める(慶応大学は実施中)
③ ビザを取得しやすくする
④ 家を借りる際に、大学が保証人になる等対策を打つ
⑤ 家賃を下げる。(日本は物価はそれほど高くはなく、家賃が高い)
⑥ 大学の卒業生(外国人)を経営メンバーに加える



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D.日本が世界と協働して、持続可能な社会を創るには?

1.自己紹介

隣同士でペアになって、自己紹介をし合い、全体で相手の方を紹介していく「他己紹介」を実施。参加者の専門は、農業、医療、アパレル、ITなど幅広く、例えば「ネオニコチノイドによる影響でミツバチが大量死」といった興味の湧く自分の知らない話等について、たくさん質問が出された。

2.なぜ、Dグループに来たのか?

参加者の関心の方向性を確認。気候変動や生物多様性といったいわゆる環境問題だけでなく、よりも幅広いアプローチでの関心があったことから、環境問題に限らない幅広い持続可能性について議論を進めていくことにした。

3.海外になくて日本にあるものは?

「お風呂の追い炊き機能」等、たくさんの価値観から技術まで出された。ここで得られた
キーワードは、「多様性(目新しいのが好き、統一しない)」「地域性」「やるときは徹底的」「自然との共生」「自然は腐る」といったもの。また、価値観の面では、日本だけというよりも、中国や韓国にも共通した東アジアの特徴と捉えた方が良いという指摘もあった。

4.海外になくて日本にあるもののうち、世界を持続可能な社会にするのに使えそうなものはどれか?

前の質問で出てきた答えのうち、世界を持続可能な社会にするために使えそうなものをピックアップしながら、日本の強みを議論した。また、
「エネルギー資源小国」「人口減少」などの課題も、地球規模では人類も近い将来ぶつかる問題であることから、日本の強みではという指摘も出された。

5.日本の人・組織は、世界を持続可能な社会にするために何ができるのか?

日本が江戸時代まで持っていた閉じた系での経済社会システムで培われた価値観、それに基づく技術力や社会の仕組みを世界に展開していくことが効果的ではないかと意見
が一致。しかし、現在の日本の人・組織はその価値観を失っていることから、再発見する必要があるということで…
「えんルネッサンス」
サークルの円、貨幣の円、御縁の縁の3つの「えん」を再発見することで、日本の人・組織が世界を持続可能な社会にする!という結論に至った。

・サークルの円:輪廻転生の東洋思想で地球環境の許容範囲内で社会を営むこと。
・貨幣の円:日本の地球環境と共生するための技術力やサービス力を世界に売ること。
・御縁の縁:人と自然の御縁を大切にし、その喜びを源泉に行動すること。



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F.国際社会で通用する人財を創る、人財となる!には何が必要か?

1. 導入 ~グループ・メンバーの顔ぶれと問題意識の共有~

○ 冒頭、12名のメンバーが隣同士でペアになり、氏名・所属・出身・問題意識を共有。
○ Fチームの顔ぶれは、職業を見ると社会企業家1名、政府職員1名、議員秘書1名、団体職員2名、会社員5名、メディア・プロデューサー1名、弁護士1名、国籍はアメリカ(1名)、スイス(1名)、中国(1名)、日本(9名)、年齢層も20代から60代までと、職業・国籍・年齢ともに多様なメンバーが集まった。
○ メンバーの顔ぶれは多彩だが、これまでのキャリアを通じて、あるいは今後のキャリアの中で、母国を飛び出してグローバルで働く経験のある、あるいはそうしたチャレンジをしたい、という想いは、メンバー間で共通していた。

2.「想いの共有」

○ 「あなたにとって、母国を飛び出して、世界で働くとはどういうことか、一言でEssenceを表現して下さい」との問題提起で、各人が「国際社会に出る」上でのモチベーションの原点を共有し、掘り下げた。主なキーワードは以下の通り。
Freedom、開放、解放:自分自身が育った、心地の良い、慣れ親しんだ空間を抜け出すことで、新しい自分を表現できる。
多様性とのふれあい:例えばインドのように圧倒的な多様性の中で、人々が生き抜くために自己主張を惜しまない空間に身をおくことで、「生きている」ことを実感できる。
自己の再発見:異文化とのふれあいにより、自分自身をより良く知ることが出来、また、自分が他者によって生かされていることに気付くことが出来る。

多くの日本人は、日本が「単一」であると考えるが、それは他の国々もある程度同じであるとの意見が、外国人参加者から出されたのは印象的であった。例えば、日本人にとってはグローバルの象徴的存在であるアメリカについて、
・「英語が世界言語であり、ドルが基軸通貨であるために、
多くのアメリカ人は海外のことを考える必要がない。
・「日本を含め多くの国々はアメリカに留学をしようと努力するインセンティブはあるが、アメリカ人は、優秀な外国人がアメリカに来てくれ、母国語である英語で学んでくれるから、敢えて飛び出そうというモチベーションが沸かない。」
・「米国連邦議会議員の多くがパスポートを持っていないというのも、こうしたマインドセットの現われ。隣国のカナダがどれ程アメリカと違うか、ということにすら、多くのアメリカ人は認識が薄い。」
といった指摘がアメリカ人から出された。中国やスイスについても、日本から見れば多様で熱気に溢れているように見えるが、そこで育った人間にとっては、同じような考えの人々が多いとのこと。

3.「課題の抽出」

○ 各人の想いを共有した上で、「実際にそうした想いを持って国外にで働いたり、勉強したりする上で、どのような壁にぶち当たるのか」にフォーカスを当て、
- 日本人参加者は、「日本で学び、働く外国人は、どのようなことで苦労していると思うか」
- 外国人参加者は、「日本国外で学び、働く日本人は、どのようなことで苦労していると思うか」
という問いと向き合った。

○ 外国人が日本で直面する壁について、日本人からは、「日本語ばかりであること」「複雑な政府の手続き」「不慣れな食事」「ハッキリと理由を説明しないカルチャー」といった点が挙げられた。

○ これに対し外国人参加者からは、「マンション借り入れに当たって保証人を求められる、そもそも“外国人お断り”という不動産やも多く、排他的」、「法律やルールが運用上の解釈で相当柔軟に運用されている。部内者にとっては都合が良いかもしれないが、アウトサイダーにとっては、物事の可否の基準が不明確・不透明」といった点が指摘された。

○ 上記に関連して最近話題の相撲の八百長問題がアナロジーとして挙げられた。
日本社会にはそれぞれの業界に「暗黙の了解」というものがあり、その中で物事が処理されている。しかし、ひとたびその「暗黙の了解」の矛盾を外部者から指摘されたとき、多くの日本人は、物事の処理の方法が分からず混乱に陥る。

○ 日本で外国人が働く際に感じる戸惑いとして、
意思決定にかかる時間の長さや、組織内Layerの多さも、外国人参加者から指摘された。日本人参加者からは、「組織内のメンバーがしっかり意見表明をすることを大切にする組織が多く、民主的な運営といえるのではないか」との反論が出された。これに対しては、「確かに日本の組織では多くの人が「発言権」を持っている。しかし「意思決定権」を誰が持っているのか、不明確な場合が多い。即ち、出された意見を取りまとめ、一つの方向として意思決定するのは誰なのかはっきりしない。」「発言した組織メンバーも、どのくらい積極的意思を持って発言しているか疑問。単に順番が回ってきたから“何となく発言しているだけ”のケースが多いのではないか」と再反論され、一同、「思い当たるところが多い」との反応。

○ 日本人が海外に出て仕事・勉強をする際に直面する壁として、外国人参加者からは如何指摘された。
 -「言葉」:単に英語の発音や聞き取りが不得手というだけでなく、表現が不得手。何語であっても言語は自ら積極的に発信し、失敗をしなければ上達しない。しかし、日本人は(日本語であっても)、自己発信に消極的であり、間違ったことを述べることに慎重。これでは語学は上達しない。
 -「自分だけで勝負しなければならない環境」:英語で「Swim, or sink(泳げ、さもなければ沈むだけ)」との格言があるが、グローバル社会では、自ら勝負し価値を提供しなければ生き残れない。良くも悪くも組織やグループで力を発揮する日本人には大きなチャレンジ。
 -「帰国後の処遇」:せっかく国外で懸命に努力しても、国内でその頑張りが認められない、その間、国内で出世していく同期と差がついてしまう、就職や転職に生かされない傾向が強いのではないか。

4.今後の方向性

○ 日本/日本人は、そもそも、グローバルに人材を日本に呼び込むために、日本国内に存在する有形・無形の壁を取り払うことを望んでいるのか?また、日本の人材をグローバル社会に送り出す上での壁を取り払うことを望んでいるのか?

○ 最後の論点として「日本/日本人は、今、外向きなのか、内向きなのか」に焦点が当てられ、12名が3つのグループに分かれて上記論点を議論。主として以下の意見が出された。
 (内向き志向が強いとする議論)
・日本は島国で日本語文化が極めて強く、もともと内向き志向になるドライブが強くかかっている。
・グローバル化の波が押し寄せていること自体は個人も企業も認識しているが、「ストライカーと向き合う“弱腰”ゴールキーパーのように」攻められると分かると腰が引ける傾向がある。
・個人的に外向きにはなりたいが、日々の仕事や生活の中で、そのきっかけがつかめない。
 (外向き志向が強いとする議論)
・日本の内需が縮小傾向にあるのは明らかであり、企業は今後外に出て行かざるを得ない。
・例えばマンション・ディベロッパーや不動産業等、これまでdomestic markets onlyの産業であっても、例えば都市開発等は今後、ますます東南アジア新興国で求められる分野であることを考えれば、globalにfrontierが開かれているはず。
・今まで以上に組織よりも個人が力を持つ時代であり、個人個人を見れば、グローバルに活躍しようという意思を持ち、活躍している人が多いのではないか。例えば「青年海外協力隊」等の応募人数が、募集人数と比較して多くない、という点が指摘されるが、以前と比較して、日本の国力の増加とあいまって、募集人数自体が増えていることから、以前よりも「大勢が少ない機会に殺到している」感が和らいでいるだけではないか。

5.グループとしてのメッセージ

○ 最後、最年長(60代)の日本人参加者と、鋭いメッセージで議論を主導してきた在日経験20年のアメリカ人参加者からFグループの議論の内容とメッセージをCrossover21全体に共有した。

○ メッセージは
「個人の力と想い」がエッセンスであるということ。かつて日本人は、アメリカをはじめとする外国に強い「憧れ」「好奇心」を持っていた。日本/日本人が内向きになっているとすれば、こうした「憧れ」や「好奇心」が薄らいでいることが背景にあるのではないか。
かつての日本人は「世界に学ぶ」という想いを持って努力した。この結果、今の日本人は「世界に貢献する」ことも大いに出来る。
いつの時代も、世界に対して「憧れ」と「好奇心」を持って、「世界に学び、世界に貢献する」人財を応援し、育てていくことが重要、というメッセージで、プレゼンテーションを締めくくった。



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G.日本のインフラは世界に輸出できるのか?

1.導入

○ チームGは、職種は商社1名、金融系アナリスト1名、シンクタンク・政策塾1名、自営業1名、団体職員3名(インフラ系国策会社、消防、国立系研究所)、高校生1名、国家公務員1名で、国籍の内訳はタイ(1名)、日本(8名)、年齢層も10代から40代までと様々なバックグランドからの参加者でディスカッションが行われた。

○ 冒頭にアイスブレークとして、ファシリテーターを除く8名のメンバーがとなり同士でペアになり、氏名とどんな仕事をしているのかについて自己紹介。その際、
自分をもっともよく表すキーワードやあだ名を紹介してもらい、ネームプレートに書いてもらうこと(その名でお互いを呼ぶこと)、
Crossover21設立10周年ということで、・10年前自分は何をしていたか、・10年後何をしていたいか、
という2点を相手と話してもらった。

○ その上で改めてグループ全員に対して、自分のことではなくペアの相手のことを“他己紹介”してもらい、アイスブレークとした。

2.ディスカッションのアプローチ

○ 我々共通の問題意識として「日本がなくても世界はやっていけるが、世界がないと日本はやっていけない。そのため、今後の
グローバル化する世界の中で、“日本がなくてはならない存在”、と世界に言ってもらえるような存在感を発揮するためにはどうしたら良いかを、インフラ輸出を通じて考えたい」、という共通認識の元、外国人の視点を交えつつ、足下にある日本のassetsを再発見してみるという視点で議論を進めることを確認した。

○ 以降120分を3つにわけ、
① 2グループに分かれて議論、10分の休憩の後、
② グループがそれぞれの発表と突っ込み、
③ プレゼンテーションのためのまとめと模造紙書き、
を行った。

○ まず4名2グループに分かれて、日本が世界に誇れるインフラとして、「何が」誇れてそれは「何故か」、そして日本が世界にとってなくてはならない国だと見られるようにするためには「如何に」世界に売り込むことか、という観点で意見を出し合った。参加者のバックグランドを反映して様々なアイディアが出てきた。ハード面としては道路、消防、鉄道、水道事業、ソフト面としては年金制度、化粧品、学校給食などが出された。

「何が」(WHAT)誇れて、それは「何故か」(WHY)、そして日本が世界にとってなくてはならない国だと見られるようにするためには「如何に」(HOW)世界に売り込むか。

○ その後のジョイントディスカッションにて内容を詰めた結果、プレゼンテーションでのわかりやすさ(と時間の短さの制約)、発表者の好みを考慮し、ソフト面とハード面から一つずつあげることにした。

3.日本が世界に誇れるハード面のインフラ

ハード面としては、鉄道があげられた。新幹線がこれまで一度も大きな事故を起こしたことのないことで代表される安全性、正確無比な運行技術に見られるように、その高い信頼性や安心・安全性は日本が世界に誇れるassetである。その際(他のインフラにも共通して見られたことであるが)議論に出たのは、
こうした技術を単独で売るのではなく、他のサービスや工夫と合わせて“パッケージ”で売ること、
相手の国の事情や“ニーズ”に合わせた“カスタマイズ”を行うこと、
の重要性である。

○ かつて欧米に対するキャッチアップの時代においては、電化製品や自動車など、“スタンドアローン”の技術が主な輸出商品であった。こうしたスタンドアローンな製品については、使い方に国毎の違いはあまりないということもあって、自国にて品質の良いモノを大量に安く生産すればよかったので、相手国の事情を余り考えずにすんでいた。しかし
インフラは文字通り生活の基盤となることから、相手の国の経済・土地事情や生活のスタイルにあわせた“テイラーメード”のものを作ることが決定的に重要となることから、相手のニーズを適切に掴むことがポイントなのではないか、いう論点が出てきた。

○ また
利便性や長期の使用に伴うメンテナンス、インフラを支えるシステム(例えば鉄道で言えば発電所等)等を考えると、そうした技術“単独”ではなく、必然的に“パッケージ”として統合化された提供が重要となってくることも指摘された(そうでないと相手にとって魅力的なものにうつらないからである)。

○ これらのことは、これまでのキャッチアップの時代とは根本的に違う発想であり、最近のインフラ輸出で後塵を拝しているのは、日本企業が分野ごとやパーツごとの技術が圧倒的に高くても、それらを統合化してパッケージとして魅力ある製品として売り込むことをしないゆえに、ビジネスとして競い負けているのではないか、という点が指摘された。

○ そうした視点で考えられたのが
“総合的な沿線開発をパッケージ化した「鉄道」”である。今度、発展著しいと予想されるアジアのメガシティは、人口密集の問題や地震や火山等の変動帯に位置するものもあるなど、欧米の大都市と違った構造や背景を持つ。我が国での同様な人口密集地や、自然災害も多い環境の中での鉄道開発は、アジアのメガシティと共通の要素を持つものである。そうした中、効率的な土地利用や都市開発、自然災害等を考慮しながら、鉄道線沿いに住宅地、デパート等の商業施設等を展開し、自然と調和させながら、“総合的な”開発を推進していくことは、これまでの日本の経験が活かせるパッケージとしてのインフラ展開になるのではないか、という議論がなされた。

4.日本が世界に誇れるソフト面のインフラ

○ 一方
ソフト面については、唯一の外国人(タイ)参加者から“年金制度”があげられた。我が国では大いに疑義のあがっている年金制度であるが、そうした制度が存在しないアジアの視点からすると、老後に関してこうした社会保障があるのは大変安心感を持て、魅力的ですばらしい制度だという指摘がなされ、日本人参加者にとっては意外な“気付き”だった。日本の年金制度は、国内財政に余裕ができはじめた高度経済成長時代から整備されてきたとのことであるが、アジア諸国では現在丁度そうした経済成長にさしかかっているところであり、国の財政的にも、年金制度を立ち上げるのは今が絶好のチャンスであるとのこと。そこに日本のかつての経験を売り込めば、これは重要なインフラ輸出になるのではないか、という視点が提供された。

○ その際、
失敗の経験も含めた日本の教訓を実例とともに体系的に示すことは、彼らにとっても貴重な情報であるはずという指摘には説得力があった。もちろん現在の破綻しかけている年金制度の失敗は大きな課題であるが、そうした問題も単に後ろ向きになったり、責任の押しつけをするのではなく、日本が課題先進国としての自覚を持って果敢に立ち向かい、解決方法や教訓を見出して、後に続くアジア諸国に示してあげれば、それはまさに、一足先に世界に先駆けて高齢化社会を迎えつつある日本の経験と蓄積を世界に還元できる貴重なassetとなることは間違いないという、昨年の英国Economist誌の日本特集”Into the unknown"を彷彿とさせる議論が行われた。

○ 但しこうした知見・知識をtransferする上では、当然日本の経験はそのままの形では適用できないので
、日本の固有の経験を一般化・体系化した後、相手の国の実情や環境への翻訳という“再固有化”の作業を行わなければならず、かつ、それらがvividに伝わる形で提供されなければ、そうした教訓の貴重性や重要性(特に負の側面)が伝達されない。日本はともすると自らの経験を特殊化したり、それゆえに自虐的に考えたりしがちであるが、日本人自らが、これからの人類的課題や人類の生き方の様式の一つの指針とするために、これらの経験を昇華して一般性の高い理論として構築することが重要な課題ではないか、ということが指摘され興味深かった。

5.議論のまとめ

○ 最後にこうした議論をA0の模造紙にまとめた。発表にあたっては、会場の後ろの人にも見えやすいように、文字をできるだけ大きくし、①チーム名とディスカッションテーマを最上段に大きく書いた上で、②ハード・ソフトの代表的なインフラ一つずつについて、③上記のWHAT,WHY,HOWのそれぞれのポイントをキーワードとして書いて口頭での説明を加えた。そして事前に説明時間4分での簡単な練習も行った。

○ 説明者としては、今後の日本を背負うということで、高校生の若人に、背景といった全体要旨をまず話してもらい、ハード・ソフトの各インフラの個別の事項について、それを提案した参加者が解説を行い、最後に再び若者にまとめてもらう構成を取った。
140名の満座の聴衆の中、高校生の若者にはプレッシャーでないかと心配したが、物怖じせず見事なプレゼンテーションであったことは、会場から割れんばかりの拍手がわき上がったことからうかがえた。議論の内容もさることながら、こうしたしっかりとした若者が育ってきていることは、今後の日本に大いなる期待を持てるものだという感想を持った。



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H.日本の社会保障の強み・弱み

1.チームの概要

○ メンバー構成:日本人:官公庁3名、医療関係者2名、企業1名、NGO1名
外国人;企業2名(ミャンマー、中国)
○ 目的:社会保障制度について大所高所から議論し、持続可能であるべき姿を探ること。
○ 議論の前提:日常では決して考えもしないアイディアを出し合って、実現可能性を探ってみよう。
○ Hグループとしてのゴール:社会保障について他のグループにも関心を励起させるような話題で発表しよう。

2.議論の概要

① 年金について
○ 年金給付総額の増加に対して給付を圧縮するか、保険料を増額させるか?
アイディア:平均年齢以上には給付をしない(勤労者世代は負担に耐えられなくなる)。
→ 長生きに対するリスクの保険なため、「平均年齢以上から支給する」方が保険原理に合致する。
→ 長生きできない場合には掛け捨て保険になってしまうからクジで決めたらどうか?

② 医療について
○ 高騰する医療費を押さえられないだろうか?
アイディア:末期ガンに投与する抗癌剤は保険給付から外す
→ 分にあった医療、個人の死生観の確立も必要だ

③ 生活保護
○ 増加する生活保護受給者のモラルハザードをどのように防止できるか?
アイディア:給付を受けるためには就労をしなければいけない
→ 行政が抱えるには負担が大きい
→ 勤労所得より保護費が高いのは不公平感がつのる

④ その他
○ 子供のワクチンはどこで打ってもらえるのか?制度が複雑で理解が難しい



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I.日本人・日本社会は「安全・安心」にこだわりすぎなのか?

1.メンバーの顔ぶれと関心事項の共有

○ 11名のメンバーが順番に「自己紹介」と「このディスカッションテーマを選んだ理由」をグループ内で共有。「安全・安心」については、飲料水の安全性や工事現場での通行人の安全確保から、製薬メーカーにおける過剰な品質管理まで、幅広い関心事項が各人の経験を基に話された。その中で、日本人、日本社会の安全・安心に対する意識と海外との比較を中心に議論が展開された。

○ メンバーの顔ぶれは、国籍別では、ケニア(1名)、インド(1名)、韓国(1名)、中国(1名)、日本(7名)。職業別では、コンサルタント(環境、IT等)、証券会社、メディア、会社経営者及び役員、国家公務員等。

2.議論の展開と課題の抽出

○ メンバー間の関心事項の共有によって、
「オーバースペック」と「十分に果たされない説明責任」という安全・安心に関する日本人、日本社会の課題が浮かび上がった。

○ 課題の具体例として挙げたものは以下のとおり、
・外国人参加者から「工事現場の過剰な警備員の配置」
・日本人参加者からは「製薬メーカーにおける過剰な品質管理」

○ そのような事態を招いた原因として考えたものは以下のとおり、
・「安全」に関する基準が曖昧であり、誰が、どれだけ安全を確保すれば良いのかわからない。
・「安全」に関する説明責任が果たされない結果、「安心」を提供することができず、何事もオーバースペックになる。
・説明責任を果たせず、法規制など国の規制に頼るために、責任は国や法令遵守義務のあるメーカーに転嫁されている。
・日本人、日本社会自体にとって、自分自身で安全・安心を確保するという意識の希薄化を招いた。

○ このような日本の状況を海外と比較するために、IT、メディア、建築等の各種業界で共通に議論できるように、プロジェクトの上流(発注元)から下流(執行者)までをステークホルダー別にマトリックスにして、議論することを試みた。
その結果、日本では、業種別、発注企業別に関係者が系列化する垂直展開の中で、各階層のステークホルダーに安全性を求めるため、過剰な安全となりがちであるものの、システム全体としての安全性の説明責任は、発注者に一手に掛かっている。
しかしながら、海外では、ステークホルダー毎に業種横断的に水平分業されており、各ステークホルダーが安全性及びその説明責任を果たしていると考えられた。

3.日本の特異性

○ 外国人参加者から改めて、日本特有の制度、風習等について気づいた点を伺ったところ、興味深い議論が展開され、日本人だけでは気づかなかった日本人の特異性が整理された。具体的な議論は以下のとおり
・「音姫はいらない」
普段使わない外国人からは、「自分さえ必要ないと思えば使わない」という意見が出されたが、日本人からは「相手が不快に思うかも知れないから、使う」という意見が出された。そういった情緒的、他利主義的な良さが見受けられる反面、「水の節約になる」といった合理的説明を後回しにしたため、日本の良いものを海外に十分にアピールできていない。
・「住所は路線名」
日本では、自宅住所を初対面の人に説明する際に、最寄り駅を伝えずに利用路線名を伝えるなど、「曖昧さ」を残すことが特異ではないか。その理由として考えられるのは、島国であり他文化から比較的距離を置いていたことによる「他人への距離感」と、「喋らない=責任を負わない」という日本社会の状況を反映したもの。
・「『空気を読む』の意味」
日本社会が、「意見を述べること」と「行動すること」を分離しない文化であるために、「発言する=責任を負って実施する」と考えるため、議論することに慎重になり、空気を読むようになると考えた。

○ 上記議論の結果、日本人は遠回しな表現をつかったり、説明が下手であったりするが、物事を熟考し、議論をまとめやすいのではないかといった意見が出された。結果として、説明責任を十分に果たす前に、責任を回避するか、リスクを低減した商品・サービスを生み出したのではないかと考えた。

4.日本の強みと今後の方向性

○ これまでの議論を受けて日本と海外を比較すると、
・ 海外では、性悪説に立ち、物事を言葉と理論で説明できなければ、社会で受け入れられないと考えられがち。
・ 日本では、性善説に立っているため、物事の判断基準が、感情や想いに左右されがちであり、気配りのできる優しい国民性と考えた。

○ ビジネスライクな現在の経済成長至上主義の中では日本の良さは理解されにくいが、今のような
成長が持続できなくなったとき、「相互理解の上で互いを信頼し、安全・安心を確保する」という日本的社会構造は世界に通じる日本の強みになると考えた。

○ 今後は、実感しないと理解されにくい
日本の安心な社会構造をいかにして外国人の方々に実感してもらうかが課題だ、としてメンバーの意見がまとまったが、実感の具体的手法を提案するには至らず、議論の過程をまとめ、今後の方向性を示すに留まった。



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J.グローバル化する日本と在日外国人の活躍・貢献について

1.チームメンバーの概要

○ 司会を入れて、全11人。内、日本人7人、外国籍日本人2人、インド人1人、中国人1人。
○ 参加者の職業は、国家公務員、国際戦略コンサルタント、教師、ソフトウェア開発、外国人材提供サービス、貿易会社経営、人材育成、高齢者介護関連、会社員等。
○ 年齢構成は、20代~50代。

2.問題意識と論点

○ 近年、日本では少子高齢化による国内市場の縮小、長年のデフレ、国際競争力の低下等が目立ち、多くの人々は、自信の無さ、内向き、閉塞感を感じている。そのような環境の中で、Jチームでは下記を議論。
外国人のフレッシュな視点を交えて、日本の良さ・強みを再発見することで、日本に対して自信を取り戻す。
- グローバル化の中で、
日本の問題・弱みを議論し、危機意識を高め、日本の真のグローバル化のために努力する。
- 在日外国人の活躍、及びその上での問題点を議論し、
日本のグローバル化に対する外国人の貢献度を高める。

3.日本の良さ・強み

○ 2011年になって、日本はGDPが世界第3位になったが、2010年まで、ずっとアメリカに次ぐ世界第2位をキープして来た。このような強い経済力は、日本の充実な社会インフラ、高い教育水準、高い医療衛生水準、安定・豊かな社会を築いて来た。現時点も、沢山の外国人が日本を第二の故郷として、日本に定着しているし、途上国の中でも日本に憧れ、日本に来る為、日本語を勉強する人々がたくさんいる。

○ 日本社会は、性善説によって成り立つ、高い信用力の社会である。結果的に、ビジネス、または普段の生活の中で、多くの場合に事前の信頼性の確認が不要で、万が一、後で問題が発生しても、お互いを信頼し、確認・協議を少なくして、問題解決が迅速に出来る。つまり、信用力が高いことによって、すべにおいて手間を省き、結果的にスピードアップ、コストダウンを実現した。現在のような世界的な激しい競争の中で、
日本の信頼性による、スピードアップ、コストダウンは、他のどんな強みにも勝る大きな、貴重な強み。

○ 日本は、治安、衛生ともにとても安全な国である。夜中に、女性一人で出歩ける安全な環境は、とても便利で、コストが低く、結果的に活動力・生産性を高めることが出来る。また、日本の空気、水、食べ物、医療サービスの安全性も、私達が低コストで健康を手に入れることを可能にしている。
安全を、低コストで、手軽に、日本にいる誰もが手に入れることが出来るのは、また何にも換えがたい貴重な良さ・強みである。

○ 日本は、何でもある、何でも出来る、何でも捨てる等、とても豊かな国である。日本は、情報・サービスが高度に発達し、世界の有名・希少な物でも、比較的に簡単に、速く、低コストで入手出来る。また、日本では、テレビ、冷蔵庫、車等、まだ使える物を簡単に捨てるのも、世界的には珍しい現象で、日本の豊かさの大きな象徴である。

○ 日本人は、優しく、思いやりがあり、細やかな配慮が出来る。その延長で、外国人にも優しい。

4.日本の問題・弱み、危機意識

○ 日本は、横並びの傾向が強く、優秀で、目立つ人は叩かれやすい。

○ アメリカでは、子供の教育において、ソーシャル活動を重要視するので、子供のコミュニケーション力が高い。ヨーロッパの学校では、常に意見を聞かれるので、子供の考える力が強い。反面、日本では、詰め込み、横並びなので、子供が大きくなったら、ロボットのような人間になる。結果的に、
多くの日本人は、自分の意見を持たない、発信しない。グローバル化に対応する為には、日本は教育に力を入れるべき。

○ 多くの日本人は、途上国のような衣食住が保障されない大変な生活を経験していないので、
ハングリ精神と、危機意識が弱い。結果的に、困難に立ち向かい、新しい世界を開拓するのが弱く、その延長で、国際競争力の低下を招く。

○ 日本政府には長期ビジョン、リーダーシップ、戦略がない。

日本の政治、国家の運営には、リアリティーがない。例えば、アメリカ、フランス等では、政権が変わると役人も変わるので、リアルな(本物の)変革が起きる。

日本企業は、Cashはあるけど、マネージメント力が弱く、国際ビジネスの中で、失敗が多い。日本のグローバル化のレベルは、ゼロ以下のマイナスである。

5.日本のグローバル化の身近な現象

○ トヨタのプリウスは、アメリカのLAでは、お金持ちの象徴として、富裕層が購入している。

○ 何十年前は、金髪女性が電車に乗ると、「髪を触ってみていいですか?」と聞かれたが、今はスーパー、コンビニーで外人に会っても驚かない。

○ 国際結婚により、家族に外国人が入った。

○ インターネット経由で、フィリピンの人から英語を学んだ。

○ 趣味で、Facebookを利用して、外国人と話す。

○ 日本国内市場の縮小から、海外市場への展開(企業のグローバル化)は、ビジネスでは避けられない環境になった。

6.在日外国人の活躍・貢献について

海外展開において、日本の成功モデルは、外国では通用しない。その為、自国の言語、文化、習慣を知る在日外国人は日本と外国の貴重な架け橋で、日本のグローバル化には欠かせない存在である。特に、永住権をもっている在日外国人を有効に活用すべき。

○ 日本では、労働人口が減少し、研究、生産現場でも、若い外国人材は有力な担い手である。

日本の介護の現場でも、外国人人材がもっと必要だと理解する。

○ しかし、日本社会は、異物を受け入れないので、外国人は優秀であっても、差別され、企業・社会の中で認められず、起用されないので、人材の有効利用が出来ない。さらに、
外国人材の定着率が低い。

○ 外国人は、日本で信用されないので、家、事務所を借りるのも難しい。

○ 日本のグローバル化の為には、外国人の受け入れ体制を整える必要がある。

7.まとめ

○ グローバル化の波は、津波のように、強い勢いで、急速で広がっている。島国の日本にも例外なく。

○ グローバル化はチャンスであり、危機でもある。日本の強みを生かすと、グローバル化はチャンスになり、反面、日本の弱みを克服出来ないと、グローバル化は大きな危機になる。

○ 日本のグローバル化において、在日外国人は、多くの日本人が世界を知り、日本を世界に繋げる架け橋である。在日外国人との協働、在日外国人の活躍・貢献こそが、日本の真のグローバル化の第一歩である。

参加者からのメッセージ

・少子化や選挙の問題等、「世界で最初に日が沈む国」だと思って、この会に参加していました。そんな中、日本の思いやりや、文化は非常に魅力的と、話を聞きました。4月に花見をしながらお酒を飲むのはとても楽しい、漫画やアニメ等のサブカルチャーがたくさんあるという話から、おもいやりによって気持ち良く生活出来る、高い信用力によって取引のコストが少なくて済むと言うビジネスに生かせる強みの話まで、様々な角度から意見が飛び交いました。
・特に「日本が良くなければ、日本にいない」という言葉が刺さりました。在日外国人は実際の行動で、自分の感じていることを実行している訳だから、それ以上の言葉はないなと。
・日本は、たくさんの問題を抱えているけど、そんな日本に魅力を感じてくれる人は、世界中にたくさんいて、魅力を感じてくれる。
・これからは、自信をもって、文化的な魅力を伝える、在日外国人を受け入れる環境を作る、魅力ある成長力で経済発展する等の三点に関して、身近なことから何かしようと改めて感じました。



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K.来て見て分かった、出て見て分かった、日本の強み、弱み、とは?

1.チームの概要

○ 参加者:8名(日本人7名、アメリカ人1名)
○ 参加者構成:国家公務員2名、自営業2名、学生1名、企業2名、大学1名
○ 議論の目的:特に、“来て見て”、“出て見て”わかる、日本の強みと弱みについて議論し、まとめること。

2.議論の概要

○ 自己紹介と各自が考える強みと弱みの説明
・概ね一人あたり3~5分で自己紹介と、各自が考える強みと弱みを説明。
・ポストイットに強み弱みを色別に列挙。 

○ 強み弱みの仕分け
・ 2つのグループに分け、全参加者からの強み弱みの意見から1)で取り上げられなかった点を拾い出し。
・“来て見て”-“出て見て”ד強み”-“弱み”の2行2列で分類。
・ さらに、強みと弱みの両面を有する点を分類。

○ 強みと弱みの関係性を議論
・ 強み弱みの関係性を議論。
・ 特に、どの強みを活かすことで、ある弱みを解決し得るかを議論。
・ また、列挙された強みで解決できない弱みは何か、またそれを解決できるような強みがあるかを議論。

○ まとめ
・ 議論された強み弱みは一見分散しているように見えたが、その根源は“多様性”にあるとまとめ。
・ 多様性とは、ヒト・モノ・文化などいろいろなものを受け入れる、送り出す(発信)という考えと行動を指す。
・ また、個人一人一人がこのような多様性を有し、強化することは、様々な政策を許容する受け皿(個人→国、国→個人)となり得ることを示唆。



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L.来て見て分かった、出て見て分かった 日本の強み、弱みとは?

1.導入

○ 職業、国籍、性別、年齢ともに多様なメンバー11名が集まり、自己紹介の後、日本の強み、弱みとは、というテーマでディスカッションを行った。

○ 広いテーマであり、意見を集約することはしなかったが、「より多くの外国人にとって日本が魅力的な仕事先、留学先になるには何が必要か」「参加者それぞれが、国際社会で活躍できる「人財」となるために何が必要か」といったことを考えてゆく参考になれば、ということで、
①日本の強み、弱みとそれらを生む背景、
②外国人からみて日本に期待することと、
③それを受け日本人がどうしていきたいと考えているか、
という三部構成でディスカッションを進めた。

2.日本の強み、弱みとそれらを生む背景について

○ そもそも
強みと弱みは表裏一体であり、弱さは強みにもなるし、逆もしかりであること、また、例えばグループで群れるのは昔の人の話で今の若い人は一人でも活動するなど、若い世代では特性も変わってきており、年齢層によって異なっている、という指摘があった。

+)思いやりの心があり、誠実で、親切で丁寧である。礼儀正しく、人に対する関心もある。
-)本音と建前があり、仲が良くなっても本音がわからない。親切だということと、優しいということは違う。

+)日本人はルールを守る。ルールは軸であり、守るべきものであると考えている。
-)ルールを守りすぎて、融通が利かない。
目に見えないルールが多く、日本人のみで通用する距離感がある。言わなくてもわかる、という暗黙の了解がある。距離感がわからない。
←多様性に欠けており、これまで説明する必要がなかった。

+)海外からみて信頼されている。日本、に対して悪い印象は少ない。
-)日本は大国として世界をリードする役割、責任があるはずだが、そのような意識がなくアンフェアである。
←戦後教育の影響が大きいのではないか。加害者意識があるので、積極的に行動出来ない。敗戦国であることによる。

+)団体の意志を重視している。
-)閉鎖的な思考である。身内で固まる傾向が強い。留学しても他の国籍の友人と交流がない、日本人だけのグループ行動を取る傾向。外部の人間と関わりたがらない。海外では自分から積極的に行くのが当たり前。
責任を取らない。集団は「無責任」につながっている。
個と集団での意識が違う。
場を選ぶ。

+)生活水準が高い。サービスレベルが高い。
ウォッシュレットは日本ならではの商品。今では米国でも評価が出ている。そういう新しいものを生みだす素地はある。
+)水がある

-)ルーツ(根)がない。
-)説明能力が低い。恥ずかしがり屋である。

3.日本に期待すること、今後の課題(主に外国人参加者の視点)

○ グローバル化、ガラパゴス化など、どういう方向に行くのか、方向性を決めて欲しい。
→ グローバル化とガラパゴスの両方を取るのは不可能かもしれず、どちらがいいのかはよくわからないが、両立させる中で国を進展させる道が開けるかもしれない。
グローバル化、であれば、給料水準他も(他と)あってくる(下がってくる)ことに覚悟が必要。
→ 日本にとっての重要性を考えると、特にアジアとの関係でグローバル化を進める必要がある。
→ ガラパゴスであること、他と違いがあることは大切である。日本らしさをなくして、他と同じようなことをすると、良さ、魅力が失われてしまう。
→ 政治への意識を高める必要がある。
→ もっと個性を強めるべきである。

○ 日本で働きたいという外国人にチャンスを与えるべき。語学学校ではなく日本の大学を卒業しなくてはならないなど、現状ではビザの取得は非常に困難で、就職活動も大変。
→ 日本人でも新卒で入る以外のキャリアパスに限りがあり、根底には労働市場に流動性がなく、ルートが決まってしまっている、という共通の問題がある。

○ 外国人が家を借りるのに保証人が必要だが、本来の趣旨に鑑みて他の手段で代替することが可能と思われることも、他の手段を考えないので、解決できないことが多い。
→ ルールがあること自体はOKだが、その理由が説明出来る必要があり、それが出来ないルールは現状に即して変えるべきである。ルールを当たり前と捉えていて、何が問題なのか気づかないことが多いので、見直すためにも気づくきっかけを作る必要があるのではないか。
→ ルールよりはガイドラインにして、柔軟性、「遊び」の部分をもったほうが良いのではないか。ルールを守りすぎているので、慣習にとらわれ過ぎずに、時にはルールを破ったり、適当にしたりする方がいいこともあるのではないか。なぜ、どうしてそのルールがあるのか知るべきである。柔軟性が大切だと思う。
○ 外国と交流したり、異質な、他者との交流を深める機会を持ったりした方が良い。色々なことを知ると、比較できるようになる。多角的に世の中を見る必要がある。

○ 説明能力を高めるべきである。相手を説得するための説明力をつける必要がある。

○ 自由時間を増やした方が良い。No残業を徹底した方が良い。上司が帰らないと帰りにくい風土や、残業するのを頑張っているとみなす傾向があるが、本来残業するのは仕事が出来ない、ということでもある。趣味を持った方が良い。

4.今後の課題、「こうなりたい、こうしたい」(日本人参加者より)

「何故ルールがあるのか、理由を考える必要がある」など、外国人の視点は参考になった。慣習となっていたことや、これまで当たり前と考えていたことについて、異なる文化、思想を持つ人々に対してきちんと説明出来る必要があり、説明能力を高めねばならない。また、そもそもその「ルール」の必要性について再考し、現状に即して見直していくようにしたい。

○ ビザの問題や賃貸保証人の件等、外国人の受け入れ態勢に問題があることを認識した。
外資や外国人を受け入れる体制を今後整備してゆく必要がある。

他世代、他国の人々が集まり話すことで、様々な課題がみえてくる。このような機会を活かして課題をみつけ、自発的に改善のために動けるようになりたい。

○ 自分の意見を突きとおせるようになりたい。そのためには説明能力を高めてゆく必要がある。

日本の弱点とされることも、強みとなりえる。個性を強めるべきで、ガラパゴスであることは悪くない。日本らしくバランスを取りながら、グローバル社会に適応したい。



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M.国際社会で通用する人財を創る、人財となる!には何が必要か?

1.テーマからの疑問点

○ 国際社会で成功するとは、
- 自分というブランドでの個人としての成功?
- バックに“日本”というブランドを持っての成功?

○ そもそも国際社会で通用する人財とは
- 日本のため?
- 世界のため?

2.日本の強み

○ 日本の製造業は海外進出出来る。
○ 日本文化や美意識を海外へ発信出来る。
○ 場の雰囲気を大事にし、その場にいる人や空気をうまく治めようとすることが出来るといった心遣いは優れている。

3.日本の弱みと課題

○ 教育の目的が、生産を拡大することになっている。
→ 戦略・交渉の出来る目的(人材を創る)となっていない。
→“口説く力”:ディベート力、ディスカッション、臨機応変に適応・対応
を磨ける教育をすることが大事。

○ 現場力が足りないので、養うべき。
→ 苦労話等、本から学べたとしても、追い詰められる状況を体験しているわけではない。また、誰かが教えてくれるといった安心感を持ってしまっているのも問題である。

○ 自分の意見を言う・議論をするといった場合、発言を間違えてはいけない、とか、正しいことをいわなくては!といった考え方の人が増えているため、自己主張が出来ていない。

○ 若手の意見に発言権を与える場が少ない。高度成長期のような、右肩上がりの仕組みが変わっていない。

○ 気配りがない。(利己主義である)
(一方で、気配りがあるというのも強みとしてあげられているため、例をあげると)
車の渋滞が発生するのは、譲らないからである。

○ 国家を考える意識が弱い。
→中国は国家が生き残るために世界に出て行こうと積極的。

4.改善が必要な仕組み

○ 教育する立場の人間が社会人経験をせずに教員になっていること。
→ここの仕組み作りが必要なのでは?
→優秀な人材が教育に流れる仕組み作りを!

○ 日本から海外に出た留学生達の就職問題。
→戻ってきても安心という国の制度を作るといいのでは?
積極的に海外へ行って学んできたものを日本で生かそうと考える人間が増える。

○ 将来安定のために、偏差値の高い学校へ入らなくてはいけないといった考えは正しくない。
→人格を形成していく仕組み作りが必要なのではないだろうか?

5.結論

○ “個人”が自立することは“国”が自立するということ。そして、“日本のため”が“世界のため”に繋がる。




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