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官と民の壁、職種の壁、年齢の壁・・・
私たちの身の回りにある様々な目に見えない「壁」をCross-overし、
多様な「人財たち」がより良い社会の実現に向けて協働するきっかけを創り出す触媒、
それが官民協働ネットワーク Crossoverです。
     






PIPDとは   PIPDセミナーの開催実績と今後の予定   PIPDリポート


Platform for International Policy Dialogue (PIPD)とは

PIPDは、官民協働ネットワークCrossoverがNPO法人ZESDA(日本経済システムデザイン研究会)と共催で立ち上げた、国内外の政治・経済・社会問題についての議論を楽しむ政策対話のプラットフォームです。

毎回平日の朝に、在東京の大使館、国際機関、あるいは研究機関等で活躍するその道の専門家をゲスト・スピーカーとして招き、テーマに関するプレゼンテーション、質疑応答、そしてディスカッションを行っています。

なお、PIPDは司会、プレゼンテーション、質疑応答まで全てを英語のみで行っておりますが、英語での発信力、吸収力、そして議論のファシリテーション力を高めようという意欲を持った方であれば、現状の英語レベルにかかわらず、どなたでも歓迎しています。

参加をご希望の方は、 Crossoverへの会員登録 会員登録 をお願いします。会員専用のメーリングリストを通じて、セミナーの詳細をご案内いたします。


PIPDセミナーの開催実績と今後の予定

PIPD主催のセミナーは原則、月に2回、会議スペースを借りて実施しております。
各回の議論の概要は、以下よりご覧いただけます。

なお、PIPDセミナーで使用した資料及びスピーカー及び参加者の発言内容については、ご本人の明示的な許可を得ることなく、メディア(私的なブログやウェブサイト、e-mailを含む)への引用、転載、転送することは厳禁としておりますので、ご理解とご協力をお願いします。

予定/日程 ゲスト・スピーカー ディスカッション・テーマ 報告
2017/09/10 第40回 Mr. Dionne Ng What does language mean to you? An international student’s view on “Easy Japanese”
(あなたにとって「ことば」とは? 東大留学生ディオンが見た「やさしい日本語」)
 
2017/08/22 第39回 Mr.Anthony Griffin
SAGA CONSULTING
Social Networking and Personal Branding on the Global Stage
(国際舞台におけるソーシャルネットワーキングとパーソナルブランディング)
2017/08/01 第38回 Ms. Jocelyn Roberts How can the U.S. and Japan Collaborate to Improve Aid Effectiveness in
Southeast Asia?
(効果的な米日協働による東南アジア支援)
 
2017/07/14 第37回 Dr. Nancy Snow
京都外国語大学 教授
How Japan can better tell its story to the world?
(世界に対して日本のことをもっと伝えていくためにはどうしたらよいか?)
2017/06/10 第36回 Mr. Karthik Varada
東京大学博士課程 笹川平和財団 勤務
「持続可能な開発目標」を達成するために、なぜ革新的な資金調達とインパクト投資が重要なのか?
2017/05/09 第35回 Dr. Robert Eldridge
エルドリッヂ研究所代表、元米国海兵隊太平洋基地政務外交部次長
トモダチ作戦の省察と災害協力の未来
2017/04/01 第34回 Mr. Nicolas du Bois
外資系法律事務所Alexei du Bois・Oxford大博士課程
教育改革の提案~南アフリカで塾モデルが機能する理由~
2017/03/11 第33回 Ms. Lucy Birmingham & Dr. David McNeill
ジャーナリスト(Economist誌、Japan Times、NHK World等)
3.11 Disaster ~ 6 Years on ~ Foreign Journalists' View
(3.11 大震災から6年~外国人ジャーナリストの視点~)
2017/02/11 第32回 Ms. Avena Tan
上智大学大学院新卒、日系総合商社 勤務
What does “Global Jinzai” mean? – think together with a young professional from Singapore
(グローバル人材ってなに?~シンガポール出身の若きプロフェッショナルと一緒に考える~)
2016/12/10 第31回 Mr. Alberto LaPuz
ギャラップ・ジャパン社 ゼネラルマネージャー
Discover Your Strengths!
(あなたの強みを発見せよ!)
2016/11/11 第30回 Dr. Robert D. Eldridge
法政大学 沖縄文化研究所 国内研究員
元米国海兵隊太平洋基地政務外交部次長
2016年米国大統領選を理解する
(Making sense of the 2016 U.S Presidential Election)
2016/10/29 第29回 Mr. Jim Clifton
ギャラップ・ジャパン社 会長兼CEO
世界の職場改革~女性の大躍進~
2016/07/15 第28回 Dr. Robert D. Eldridge
法政大学 沖縄文化研究所 国内研究員
元米国海兵隊太平洋基地政務外交部次長
沖縄問題の真実 ~米国海兵隊元幹部の告白~
2016/06/24 第27回 Mr. Charles Spreckley
People Make Places 創始者、トラベルコンシェルジュ
人が場所を作る~ 「上質」が日本の観光ビジネスの鍵
2016/06/01 第26回 Professor Mark Kennedy
ノースダコタ大学学長
ビジネス・政策環境を形成する”shapeholders”を特定し、彼らを取り込んだ戦略をつくる
2016/04/27 第25回 Ms. Deborah Ann DeSnoo
フィルム&ビデオ・ディレクター、舞台演出家、シナリオライター、プロデューサー
エンターテイメントの力 ~異文化コミュニケーション力を強化するには~
2016/04/01 第24回
Mr. Najib El-Khash
ジャーナリスト(シリア出身、Risala Media Production、Arab Asia Network代表)
シリア問題の現状と行方~日本人に何が出来るか? -
2016/03/23 第23回 Mr. Royce Lee
留学生協会事務局長、東京大学卒業後4月より三菱商事勤務予定
日本経済・社会における外国人の役割
2016/03/04 第22回 Dr. Jiban Ranjan Majumder
バングラデシュ大使
日本とバングラデシュの歴史的関係と今後の可能性
2016/02/17 第21回 Mr. Christopher Winship
米国財務省財務官
米国大統領選挙について
2016/01/18 第20回
Dr. Nancy Snow (京都外国語大学教授)
Mr. Benjamin Boas (慶応大学研究員兼フリーランス翻訳家・通訳)
日本の対外ブランディング戦略 ~2020年とその先を見据えて~
2015/12/14 第19回 Mr. David McNeill
ジャーナリスト(Economist誌、Japan Times、NHK World等)
日本の報道の自由は大丈夫か? ~独立ジャーナリストの視点から~
2015/11/25 第18回 Mr. Jerome Camier
日欧産業協力センター 防衛産業専門研究員
日本は本当に武器輸出国になれるのか?
2015/11/13 第17回 Ms. Jessica Webster
在東京米国大使館 経済・科学技術担当参事官
技術革新がもたらすシェアリング・エコノミー
2015/07/14 第16回 Ms. Jennifer L. Friedman
Council on Foreign Relations、International Affairs Fellow in Japan、米国議会下院歳入委員会 社会保障分科会担当 民主党副部長
米国の医療保険改革-オバマ・ケア-について -
2015/06/30 第15回 Mr. Michael Kawachi
カリフォルニア州弁護士、コロンビア大学ロースクール招聘教授、国際調停トレーニング・プログラム(International Mediation Training Program)専務理事
説得力~あなたは、ビジネス・公共政策・私生活における困難な論争で、如何に人を説得できるか?~
2015/06/10 第14回 Dr. Nancy Snow
慶応大学メディアコミュニケーション研究所 訪問教授
日本政府の広報外交のあり方について
2015/05/26 第13回 Mr. Ichiro Fujisaki 藤崎一郎 氏
上智大学特別招聘教授/国際戦略顧問/元駐米全権特命大使
21世紀の日米関係
2015/05/15 第12回 Mr. Izzet Yerdes
トルコ財務省 経済参事官
今年のG20における課題と日本への期待(注:今年トルコはG20議長国)
2015/04/17 第11回 Dr. Michael Lacktorin
山梨学院大学国際リベラル・アーツ学部学部長
グローバル社会に真に貢献できる人材を創るには?-リベラル・アーツを学ぶことの重要性-
2015/03/27 第10回 Mr. Benjamin Boas
慶応大学研究員兼フリーランスの翻訳家・通訳
クール・ジャパンを世界に効果的に発信するには?
2015/03/13 第9回 Mr. Richard Oppenheim
英国大使館 環境・エネルギー担当部長
気候変動交渉の行方
2015/02/25 第8回 Mr. Patrick Newell
TED×Tokyo 創設者
創造力とイノベーションについて
2015/02/07 第7回 Ms. Bibi Voyles
米国大使館 経済担当補佐官
移民問題を巡る議論について
2015/01/28 第6回 Mr. Evan Mangino
米国大使館 農業担当専門官
遺伝子組換え作物について
2015/01/14 第5回 Ms. Thu Nguyen
米国務省軍事/安全保障専門官
日米防衛協力の指針見直しを巡る議論について
2014/12/10 第4回 Mr. Abdul Matin Sheikh (Maheen)
E-Educationプログラム創設者/Bacbon foundation代表
バングラデシュ農村部に起こった教育革命
2014/11/26 第3回 Dr. Rene Duignan
EU代表部エコノミスト/青山大学大学院客員講師/映画監督
自殺予防に向けた終りなき戦い -
2014/11/13 第2回 Ms. Roshni Nirody
キャロライン・ケネディ米国大使特別補佐官
女性の社会進出促進―ウーメノミクスーへの期待と課題
2014/10/22 第1回 Mr. Giovanni Ganelli
IMFシニア・エコノミスト
アベノミクスの展望と課題


PIPDリポート


第39回 国際舞台におけるソーシャルネットワーキングと

パーソナルブランディング

Mr.Anthony Griffin(SAGA CONSULTING)
2017/08/22

8月22日(火)7時30分より開催された第39回PIPDセミナーでは、米国カリフォルニア大学でMBA取得後、現在Fortune500企業(全米500企業)の社員に向けたグローバルなキャリアアップ・プロジェクトに従事されているAnthony Griffin氏をお招きし、Social Networking and Personal Branding on the Global Stage「国際舞台におけるソーシャルネットワーキングとパーソナルブランディング」についてお話頂きました。

セミナーは、Griffin氏の「このセミナーは英語の試験ではないので、リラックスして大丈夫」という、ささやかな笑いを誘う言葉から始まりました。会場の雰囲気は常に和やかで、Griffin氏のソーシャルネットワーキングについてのプレゼンテーション中にも質問が寄せられたりする等、インタラクティブな会となりました。

特に、セミナー後半では、椅子を片付け、参加者がパーソナルブランディングについて練習するアクティビティが行われ、極めて交流の活発なセミナーとなりました。

○レクチャー編
★ソーシャルネットワーキングとは?~LinkedInとFacebookの違いについて~
Griffin氏は、国際舞台におけるソーシャルネットワーキングのツールとして、LinkedInについて説明をされました。

LinkedInは、

① 連絡先リストのような使い方ができ、求職者以外も使用するもの
② 英語版だけでなく、日本語も含めた世界中の言語を選択可能
③ 個人情報の公開範囲を限定可能

という3つの特徴を持つ世界規模のプロフェッショナル・ソーシャルネットワークです。
LinkedInは、世界で5億人のユーザー数を誇るソーシャルメディアですが、日本におけるLinkedInのユーザー数はわずか100万人です。この数字は、米国の1億4000万人という数字と比較しても明らかに少なく、日本と世界の間には大きなネットワーキング・ギャップがあると述べられました。

このユーザー数の違いについて、文化的な違いの他、日本ではFacebookが人気であることも影響していると思うとおっしゃっていました。Griffin氏は、LinkedInとFacebook両者の違いを、主に仕事のために使うか、主に娯楽のために使うかであると仰いました。LinkedInは、仕事上のネットワークを構築するために用いるのに対して、Facebookは、私生活の写真をアップする等、娯楽的な役割で用いられることが多いとのことです。


「世界の標準は、Facebookはプライベート、LinkedInは仕事用、とはっきり分けられている一方で、日本では、Facebookが娯楽用と仕事用の両方の役割を果たしており、それもユーザー数の違いに影響を与えているのでは、。」とGriffin氏は指摘されました。

併せて、この現状を悲観せずに、むしろ個々人にとっては世界との間にあるネットワーキング・ギャップを縮める絶好の機会と捉えることが大切だと強調されました。
国際的な仕事をする日本人がLinkedInを使用することで、娯楽用と切り離した仕事用としてのパーソナルブランディングが可能となるそうです。また、Griffin氏はLinkedInを使用する際には、

*プロフィール情報においては、経歴等の列挙や自身の成功を自慢する必要はない点
*知らない人間からのフォロー申請は無視して構わない点

等を指摘し、気楽に使うのがよいと述べていました。

最後にプレゼンの締め括りに当たって、Griffin氏は、

① 国際的な仕事をしている外国人と繋がりを得るには、LinkedInのような国際舞台で活躍している外国人がいる場所に自身の身を置くことが大切だという点、
② ソーシャルネットワークにおいて世界へ共有する自分のプロフィール情報やその公開範囲は自在に調節できる点、
③ オンラインにおいてもオフラインにおいても自己のブランドを確立し、より効果的なものへと作り替えていくことが肝要である点、

を再度強調されました。

○アクティビティ編
★パーソナルブランディングの理論と実践~オンライン上で自分のブランドを書く方法~
前半のプレゼンで説明されたLinkedIn等において、他者に読まれる自分のプロフィールをいかに効果的かつ魅力的に書くかということをパーソナルブランディングと称して、オンライン上で自分のブランドを高め、他人に印象をより良く残す方法について、参加者同士のアクティビティを通じて学びました。自分は、①誰に対して(ターゲット・オーディエンス)②何を(バリュー)③どのように行っているのか(ユニーク・セーリングポイント)、ということを端的かつ印象的な1,2文で表現し、会場で参加者同士ペアになって共有しました。

このようなアクティビティを行ったことで、会場全体が素晴らしいネットワーキングの場となり、大盛況のうちに終了の時刻となりました。

今回も会場にご協力頂いた株式会社クリックネットまなび創生ラボ様に御礼申し上げます。ありがとうございました。

株式会社Click Net   まなび創生ラボ


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第37回 世界に対して日本のことをもっと伝えていくためには

どうしたらよいか?

Dr. Nancy Snow 京都外国語大学 教授
2017/07/14

7月14日(金)7時30分より開催された第37回PIPDセミナーは、広報外交の研究者で、京都外国語大学の教授のDr. Nancy Snow氏をお招きし、“How Japan Can Better Tell Its Story To The World.”というタイトルでお話し頂きました。
スノー博士の近著、「JAPAN’S INFORMATION WAR」のオーサートークの後、博士が用意した問いをもとに、参加者同士でディスカッションを行い、とてもインタラクティブな会となりました。
「JAPAN’S INFORMATION WAR」には、日本が自国について世界へ発信し、より深く世界と関わっていくためのアイディアが綴られているそうです。「WAR」という言葉は「戦争」というよりも、中国、韓国、東南アジア諸国との「競争(competition)」をあらわしているそうです。

スノー博士は、日本はアジアのライバルたちの間でより突出した存在であることをブランディングする必要性を訴えていました。また「WAR」という表現は、博士の代表作である「Information War(邦題:情報戦争)」に引っ掛けて採用されたそうです。

次に、民間人による”story telling(物語を伝える)”の大切さについて博士は訴えました。現・安倍内閣は世界に対し”Abenomics”や”Womanomics”など日本を印象付けることに一定程度の成功を収めたが、まだまだ世界での存在感はそのポテンシャルに比べるととても小さい、安倍首相の伝える日本のみが先行しそれ以外の日本の魅力が世界に届いていないと訴えました。
世界が知りたい『物語』は、それぞれの地域や人が作り出す実感に溢れた話や、一人ひとりの国民が語る日本のことであるとのことです。より世界に日本を印象付けるためには、国際的に活躍できる日本人を増やすとともに、日本の魅力を語れる能力を育てることであると述べられました。

以上の問題意識を元に、”What are Japan’s stories to the world?( 世界に伝えたい日本の『物語』は?)” “What are the most prominent Japanese values?(日本の最大の価値とは?)”という問いが観客に投げかけられました。
4~5名の小さなグループに別れ話し合い、内容を共有しました。日本の魅力は「平和」や「安全性」、トヨタに代表されるの「カイゼン」というマインド、新幹線の清掃員の無駄のない仕事ぶりなどが挙げられました。

トヨタや新幹線の事例は理想的なマネジメントとして世界でも高く評価されているが、いずれも日本人が自ら気づいたものではなく、他の国から指摘されて知ったものであるという意見も出されました。
これらの議論を受けて、スノー博士や会場からは、日本での快適な生活から離れ、外国へ行くことの必要性、英語でのディスカッションやダイアローグ、プレゼンテーションの機会を持つ重要性が共有されました。

会場にご協力頂いた株式会社クリックネット様にこの場を借りて、御礼を申し上げます。


株式会社Click Net   まなび創生ラボ

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第36回 「持続可能な開発目標」を達成するために、

なぜ革新的な資金調達とインパクト投資が重要なのか?

Mr. Karthik Varada 東京大学博士課程 笹川平和財団 勤務
2017/06/10

6月10日(土)15時より開催された第36回PIPDセミナーは、東京大学の博士課程を専攻しながら笹川平和財団に勤められているKarthik Varada氏をお招きし、”Why Innovative Financing and Impact Investing is important to achieve the Sustainable Development Goals?”「『持続可能な開発目標』を達成するために、なぜ革新的な資金調達とインパクト投資が重要なのか?」についてお話し頂きました。
冒頭、Karthik氏は①持続可能な開発目標(SDGs)②ソーシャル・ファイナンス/インパクト投資の概要について、約20分間紹介されました。

①「持続可能な開発目標」
Karthik氏は、「持続可能な開発目標(以下、SDGs。)」とは、2015年に国連で採択された、2030年までに達成することを目指す全人類や地球のための17の目標と説明されました。その上で、発展途上国・先進国双方の目標であるSDBsの達成には、

1)公共部門、民間部門の垣根を超えた、分野横断的な協力関係をつくること、
2)達成に必要とされる資金(年間3兆9千億ドル)と、現時点での実際の年間投資額(1兆4千ドル)の間にある約2兆5千億ドルのギャップを埋めること、
の二点が重要な課題と指摘。この点、SDGs達成のために活用されている民間資金は、現状わずか1%程度であるため、効果的な民間資金の動員や現在世界に存在する資産のうち1%(2.5兆円)を毎年追加で発行することにより、財源問題を解決し、SDGsを達成するうえで不可欠と主張されました。

②ソーシャル・ファイナンス/インパクト投資
Karthik氏は、ソーシャル・ファイナンス/インパクト投資は、金銭的リターン得ることを目的とする従来の出資・融資と、寄付や慈善事業の中間に位置するものであると説明されました。すなわち、寄付や慈善事業とは異なり、社会的成果のみならず金銭的なリターンも求めること、また、従来の投資と異なり、金銭的なリスクテイクに見合うリターンを得ることに加え、社会環境の改善という社会的インパクトの要素を加味したものであると指摘されました。

ここで、15分間のグループ・ディスカッションの時間を持ち、私達がこれまで見聞きしたことのあるソーシャル・ファイナンスやインパクト投資の事例について、参加者同士で意見や知識を交換しました。

セミナー後半では、Karthik氏から日本とインドにおけるソーシャル・ファイナンスの具体例が紹介されました。日本の事例としては、公共部門に民間資金を動員しインパクト投資を促進する「SIIF(Japan Social Impact Investment Foundation)」や、がん検診受診率の向上のためのソーシャル・マーケティングという公益事業を提供している「キャンサー・スキャン」というベンチャー企業が、債券発行を通じて銀行等から動員した資金で事業を行い、一定の成果を達成した場合に、事業者に代わって政府が債券投資家にリターンを支払う「ソーシャル・インパクト・ボンド」の例が挙げられました。


インドにおけるソーシャル・ファイナンスの事例としては、日本業から出資を募り、現地の社会起業家に投資を行うARUNの活動が紹介されました。

ここで、再びグループ・ディスカッションを行い、参加者同士で、ソーシャル・ファイナンスによって改善しうる社会問題や、個人がソーシャル・ファイナンス促進に貢献する方法についてそれぞれの意見や想いを共有しました。

プレゼン終了後の質疑応答では、「インパクト投資は従来の投資と比べて、同じかそれ以上の利益を生み出すことはできるのか」等の質問が出ました。これについてKarthik氏は、マイクロファイナンスの事例等も紹介しながら、「これまでマーケットとみなされていなかった分野を事業化することで、インパクト投資が従来型の投資に見劣りしないリターンを得ることも可能である」と説明されました。

SDGs達成のために官民協働を発展途上国、先進国の双方において世界規模で展開することの重要性や、ソーシャル・ファイナンス/インパクト投資を自分事化し、私達が今から出来ることに関する熱い対話は最後まで続きました。セミナー終了後には、そんな熱気の籠った会場から近隣の洒落たバーに移動し、Karthik氏、PIPDスタッフ、参加者がセミナーの振り返りをしつつ、お互いの親睦を深める熱い議論を続けました。

最後に、本PIPDセミナーにおいても会場に協力頂いた株式会社クリックネットまなび創成ラボ様に、この場を借りて御礼申し上げます。

株式会社Click Net   まなび創生ラボ


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第35回 トモダチ作戦の省察と災害協力の未来

Dr. Robert Eldridge エルドリッヂ研究所代表、元米国海兵隊太平洋基地政務外交部次長
2017/05/09

5月9日(火)の朝7:30から開催した第35回PIPDセミナーは、第28回セミナーで「沖縄問題の真実―米国海兵隊元幹部の告白―」を、第29回セミナーでは「2016年米国大統領選を理解するために」をテーマにお話いただいたDr. Robert Eldridgeを改めてゲスト・スピーカーとしてお招きし、「トモダチ作戦と今後の災害協力(Reflecting on Operation Tomodachi and the Future of Disaster Cooperation) 」をテーマにお話し頂きました。なおDr. Eldridgeは、在日米軍沖縄海兵隊司令部の元高官であり、東日本大震災発生時に米国海兵隊が展開した「トモダチ作戦」の成功に主導的役割を果たされました。現在、日米関係、沖縄問題、東アジア情勢、防災関係などを中心に様々なメディアを通じて出版、執筆、翻訳活動を展開されています。
◆ 人と人との絆の構築こそ、最重要な災害対策
冒頭、Dr. Eldridgeは東日本大震災時の経験を振り返りながら、「次の大災害に対する最も大切な備えは個人的な人間関係を構築することだ」と強調されました。大災害への対応は、自衛隊、自治体など、一つの組織だけでは限界があり、他の組織との切れ目ない、効率的・効果的な協働が必要です。そのためには、培われた「個人的な人間関係」が重要であり、Dr. Eldridgeは、震災時に、日米の知り合いや関係者をつなぎ、円滑な協働を生み出すことに尽力されました。
また「こうした個人的な関係を築き、将来における協働を生み出し、育てていく機会として、Crossoverは非常に良いモデルです」と、私たちの活動を高く評価して下さいました。

◆災害時の他国からの救援に関する日本政府の認識について
Dr. Eldridgeは、海兵隊が日本の災害対応に協力したのは東日本大震災における「トモダチ作戦」が初めてではなく、古くは米国海軍が協力した1923年の関東大震災に始まり、戦後間もない1948年の福井地震、1959年の伊勢湾台風、そして1964年の新潟地震等、長きに亘る実績があることを紹介されました。

しかし、1964年の新潟地震以降、1995年の阪神淡路大震災まで約30年の間、大きな災害が無かったことから、日本の危機管理は脆弱になってしまっていた、と指摘されました。このことは、Dr. Eldridgeが神戸大学大学院生時代に被災者の一人となり、また復興ボランティアとして救援活動に参加した阪神淡路大震災において、日本政府が海外からの支援受け入れに多くの時間を要したことに表れていた、と振り返られました。

この時の経験を踏まえ、Dr. Eldridgeは2006年から災害対応における海兵隊と日本政府・自衛隊との迅速な協力を可能とするための相互支援協定の必要性を多くの政治家、政党に説いて回りました。激震災害発生時であっても他国は主権国家である被災地国政府の要請がなければ軍隊を派遣して支援活動を行うことはできませんが、事前に協定を結んでおけば、必要なプロセスを大きく短縮し、迅速に活動を開始することができます。
しかし「日本だけでできる」という考えばかりで、海外からの救援が必要とは考える人は皆無であったそうです。Dr. Eldridgeは、2011年の3月10日、まさに震災の前日にも、総理官邸に対して同様の提案していたものの、それは受け入れられないまま、東日本大震災は起こってしまいました。
もし協定が事前に締結されていれば、アメリカ海兵隊が活動を開始するまでに1週間ではなく、2,3日でできたのではないか、とDr. Eldridgeは述べられました。
◆日本の災害対応について
Dr. Eldridgeは多くの課題があったものの、「ともだち作戦」が最終的に成功に終わったのは、日本の優れた社会基盤のお蔭であったと指摘されました。具体的には、①パニックに陥らず秩序を保つ国民性、②迅速に医療やボランティアが提供される社会的インフラの強さ、③自衛隊の能力の高さ等を挙げられました。特に、自衛隊については、被災地で活動する多くの隊員が東北出身であり、彼らもまた被災者である可能性が高いにもかかわらず、素晴らしい活動ぶりであったと高く評価されていました。もしこれらの要素が、多くの途上国のように一つでも欠けていれば、より混沌とした状況になっていたと思われるとのことです。こうした基盤の上で、アメリカ海兵隊の活動が位置づけられるだろうと話されました。
一方、課題についても紹介いただきました。まず、自衛隊については、彼らの国内における活動は素晴らしい一方、他の組織、具体的にはアメリカ海兵隊との協働については、改善の余地が大いにあったということです。アメリカ海兵隊は、東アジアにおいて、スマトラ沖地震への対応を始めとして、他組織と協働して災害対応にあたる豊富な経験がありますが、自衛隊はその能力を十分に把握し、活用したとは言えないと指摘。この点について、アメリカ海兵隊の幹部は「今回の災害対応では、我々の能力の1%程度しか発揮されなかった」と述べたとのエピソードも紹介されました。
Dr. Eldridgeは、その原因として、日本政府及び自衛隊が、アメリカ海兵隊の能力を十分に理解していなかったことを挙げられました。また、双方の意思決定や作戦の立て方の違いについても指摘されました。自衛隊は事前に綿密に作戦を立て、また想定される結果も事前にシナリオを作ったうえで、それに則して上意下達で活動が展開される一方、海兵隊は、作戦の前提となる仮定や想定の一つ一つをその都度議論し、検証していくプロセスがあるということです。

ここで参加者から、「自ら立てた前提や計画に縛られてしまう」という多くの組織に見られがちな傾向が海兵隊の間には見られない背景について、質問がありました。これに対してDr. Eldridgeは、「海兵隊は独自の養成学校を持たず、理論先行ではないこと」、「メンバーの多様性が確保されており官僚組織的な意思決定がなされにくいこと」を理由として挙げられました。一方、自衛隊については、ほとんどの幹部は防衛大学校を卒業しており、均一の環境の中で育ち、意思決定に関する多くの前提が共有されてしまっていることから、独創的な思考や議論は難しいのではないか、と指摘されました。

◆自衛隊と海兵隊の協力について
このように、東日本大震災におけるアメリカ海兵隊の活用は必ずしも十分ではない部分があったにせよ、自衛隊との協働は、故君塚栄治大将の指令の下、海兵隊と自衛隊が、その属人的つながりによって相当程度円滑になされていたことを示すエピソードを共有してくださいました。

Dr. Eldridgeは沖縄海兵隊勤務当時に、東日本大震災時の自衛隊の指揮官であった君塚大将と知己を得たそうです。またアメリカ海兵隊のGlueck司令官は日本駐在経験が4回あり、君塚大将とは旧知の仲、そしてスマトラ沖地震に対応した経験もありました。そんなGlueck司令官が日本に異動してきたのは東日本大震災の発災2ヶ月前であったということです。そのように豊富な経験があり、かつ、自衛隊の指揮官と旧知の仲である者がこのようなタイミングで海兵隊の司令官として異動してきたことは奇跡と言える、とDr. Eldridgeは振り返られました。

◆今後の課題ついて
Dr. Eldridgeは次の大災害に対する備えとしてについても、考えを述べられました。
冒頭指摘されたとおり、個人的な人間関係を広く構築していくことがまず大切であるとのことです。そのため、Dr. Eldridgeは高知県、和歌山県、三重県、静岡県等の自治体や、病院や消防職員との公式・非公式なネットワークを築いています。海兵隊との協働について働きかけても反応が鈍い場合には、これまで築いてきたネットワークを活かし、その自治体選出の有力政治家の影響力にも頼ることで望ましい結果を得ることが出来た、とのエピソードも紹介して下さいました。
また、海兵隊が救助・支援に当たった気仙沼大島の被災者を、他の自治体の災害対応担当者とつなげるべく、被災者による講演会を沖縄で開催するなど、人と人をつなげるような活動も精力的にされているとのことです。この中では、自治体の災害対応担当者は、災害発生時には、自分自身及びその家族が被災者となる一方で、同時に災害対応にも当たらなければならないことから、日常的に訓練されていることが重要であることなどが共有されています。
さらに、外国人留学生についても、彼ら彼女らに災害対応の知識があれば、バイリンガルとして被災外国人の誘導や、外部からの支援の受け入れに大きな役割を果たすことができると指摘されました。

◆Dr. Eldridgeが出版されている書籍ついて
最後に、Dr. Eldridgeが執筆又は翻訳された本を紹介していただきました。
一冊は、小説家である高嶋 哲夫氏が書いた震災関係の書籍の英訳版である「Mega quake 」です。日本の東日本大震災における対応について書かれたこの書籍を英訳することで、①途上国など災害対応が未熟な国に教訓を活かすこと、②国際機関・組織が日本の特性を理解し、それにより来たるべき救援を円滑にすること、を目的としているとのことでした。
さらに、今回の講演のテーマである東日本大震災関係として、「次の大震災に備えるために―アメリカ海兵隊の「トモダチ作戦」経験者たちが提言する軍民協力の新しいあり方」、「トモダチ作戦 気仙沼大島と米軍海兵隊の奇跡の“絆"」の2冊を紹介してくださいました。特に後者については、まだ2月に発売されたばかりですが、今回の講演で語られなかった各関係者との調整の内実を含め、Dr. Eldridgeの当時の活動内容が詳細に記されているとのことです。
なお、Dr. Eldridgeはご自身の震災関連の著作の印税を原資に、「大島っ子の夢と将来基金」を設立、教育、文化、スポーツ、国際交流等の分野で気仙沼大島の子どもたちの活動に支援をする団体や個人に補助金を交付する活動も展開されています。

会場は、リーダーシップ、先見性、献身、そして忍耐力を持ってトモダチ作戦を成功に導いてくださったDr. Eldridgeと米国海兵隊の皆さんへの心からの感謝の気持ちを込めた大きな拍手に包まれました。


今回も株式会社クリックネット社長の丸山剛様、並びに社員の皆様のご厚意で、セミナー会場として同社が主宰する「まなび創生ラボ」をお貸し頂きました。この場をお借りしてお礼申し上げます。有り難うございました。

株式会社Click Net   まなび創生ラボ

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第34回 教育改革の提案 〜南アフリカで塾モデルが機能する理由〜

Mr. Nicolas du Bois 外資系法律事務所Alexei du Bois・Oxford大博士課程
2017/04/01

4月1日(土)に開催した第34回PIPDセミナーは、Nicolas du Bois氏とAlexei du Bois氏のお二人をゲストスピーカーとしてお招きしました。お二人カナダ生まれの兄弟であり、イギリス、南アフリカへと移り住み、今は南アフリカに日本の「塾」をモデルにした取組みを始めようと共に尽力しています。お二人からは、日本と南アフリカの教育システムを比較しつつ、南アフリカでなぜ日本の「塾」をモデルとしたビジネスが大きな可能性を持っているか、お二人のビジョンやビジネス・プランと併せてお話しいただきました。なお、英国のオックスフォード在住のAlexei氏は、ビデオ会議のアプリを使ってセミナーに参加、お話を頂きました。
◆日本の教育システムについて
まず、Nicolas氏からは、2011年から3年間、JET(Japan Exchange and Teaching) Programへの参加を通じて、日本の静岡の高校で英語を教えていた時の経験が共有されました。JET Programとは、主に教育分野でキャリアを歩みたい方を海外から募り、日本の公立学校で英語を中心に教鞭を執る経験を提供しているプログラムです。
JET Programの受入人数は近年減っていましたが、東京オリンピックを見据え、日本人の英語力向上というニーズに応えるべく、再び増加傾向にあるそうです。また、このプログラムにより外国人講師が派遣される学校は、これまで主に地方都市が多かったそうですが、最近では東京や大阪のような大都市にも派遣されるようになっているそうです。

このプログラムに参加した経験から、Nicolas氏は日本の公教育について「平等性」が非常に高いと感じたそうです。例えば、教材費など多少の費用は要するものの、基本的に無料であること。設備についても公費により一定のレベルが保証されていること。そして教師についても一定の質が保証されており、レベルが非常に高いこと。また優秀な教師が教え易い学校ばかりをえり好みしないよう人事異動により一定期間ごとに配置転換があること等が、学校間の質の平等化に寄与しているのではないか、と述べられていました。

◆日本の教育システムについてディスカッション
続いて、Nicolas氏のプレゼンテーションも踏まえながら、参加者同士で「もし、もう一度小学校・中学校の教育を受けられるなら、どんな教育を受けたいか」をテーマに、4,5人の小グループをつくって英語で話し合った後、会場全体で内容を共有しました。
「国際的な感覚」や「コミュニケーションスキル」、「何が真実かを見極められる力」など、現代の社会に対応して必要なスキルや能力が挙げられる一方で、「そもそもなぜ勉強が必要なのか、どんな意味があるのか」を学びたかったという意見や、「学校は子どもに安心できる時間や場所を与えられることが必要」という意見も出されました。

◆南アフリカの教育システムについて
ディスカッションの後、スピーカーのお二人が受けた南アフリカの教育システムについての紹介がありました。まず南アフリカの国全体のGDPは日本の7分の1程度、人口は半分程度(5,200万人)ですが、一人あたりのGDPは6,600USドルとアフリカ諸国の中では相当豊かな国です。しかしアパルトヘイトの影響もあり経済格差が大きく、学校についても親の所得に応じて5段階に分けられているそうです。

最も所得が高い層が通う学校と、最も所得が低い層が通う学校の様子が写真付きで紹介されました。所得が高い層が通う学校には机や椅子はもちろん、広大なグラウンドやテニスコートがあり、その質は日本の公立中学・高校すら上回るように見えます。一方で、所得が最も低い層が通う学校の写真を見ると、非常に小さい教室で、机は先生用のものだけ、冷暖房もないために冬は非常に寒いなど、両者には大きな差があることが窺われました。

最も所得が高い層が通う学校は、アパルトヘイト時代には白人しか通うことができなかったそうです。現在はそのような区別はありませんが、南アフリカの所得水準からするとかなり高額の年間約40万円の学費が必要となることから、実際に通うことのできる層はごく僅かとなります。

教育の質についても、日本の教師は国家資格という最低限の基準を必ず満たしている一方で、南アフリカでは75%の教師は基準を満たしておらず、また公的な人事異動システムもないことから、基準を満たす優秀な教師は、待遇がよく、教え易い、優秀な生徒がそろう一部の学校に集中する状況となっているそうです。地域の経済・社会的環境が学校教育の質の差に直結しており、学校間で提供される教育の質は日本と比較にならないほど大きなものとなっているとのことです。

実際、教育の成果の一つである学力について、発展途上国間で数学と科学の点数を比較した場合、南アフリカは15歳時点でデータをとっているにもかかわらず、14歳時点でデータをとっている他の国と比較しても相当低くなっています。さらに、所得によって分けられた5段階の学校群ごとに平均の点数に大きな開きがあり、また、公立と私立の間でも大きな格差が存在しています。また、段階別の学校群ごとの大学進学率にも大きな差があります。大学への進学率の差は、後に就業率の差となって将来の所得や生活の安定にも大きな影響をもたらすとのことでした。

◆「塾」プロジェクトについて
このような南アフリカの教育事情を背景として、以下の理由からNicolas氏とAlexei氏は日本の「塾」をモデルとしたビジネスが成立すると考えたそうです。

・沢山のnon-profitの取組みの存在
まず南アフリカには、既に沢山のnon-profitの教育に関する取組みがあるそうです。しかし、お二人はnon-profitモデルではなく日本の塾のように、お金を払ってもらう塾モデルを採用しました。これは、non-profitモデルでは継続的な収入がないため予算制約があり、救うことができる学生の数には限りがあること、また、無料で受ける教育よりも、たとえ少額でもお金を払って受ける教育の方が高い効果が得られるという研究があることを踏まえてのことです。それぞれが支払う額自体が少額であっても、一度の授業で20人~30人程度が参加すれば、塾全体では一定の収入が確保できるだろうと考えているとのことです。また、このようなモデルは他の発展途上国でも成功例があるとのことです。

・大学に進学できない理由
低所得層が大学に進学できない理由の一つである、大学入試の各科目の最低基準を満たすことすらできない、という問題に対応するために、お二人は、公教育とは別の補足的な教育を提供できれば、中・低所得層であっても大学に進学できる可能性が高まり、将来の安定的な収入につながるのではないかと考えています。なお、私立学校を設立するという選択肢を採用すると公立学校から優秀な教師を奪ってしまうという問題が発生するところ、塾モデルであれば、公立学校と補完的な関係を保つことができるといえます。

・成果測定、広報が可能であること
日本の塾や予備校では、「東大○名合格!」などの実績がアピールされています。南アフリカでは、多くの学校はこのような実績の測定や広報をしておらず、教育の効果が不透明と言えます。

このような中で日本の塾のように実績を測定し、広報することができれば、それは大きなアドバンテージになるだろうと述べていました。さらに、彼らは小中学生ではなく高校生を対象とした塾を開くことを考えていますが、この実績が測りやすいという点から、高校生を対象とするという選択をしたそうです。

今回は土曜日の開催ということもあり、セミナー後に懇親会を開き、参加者皆でNicolas氏を囲んで教育談義に花を咲かせました。


今回も株式会社クリックネット社長の丸山剛様、並びに社員の皆様のご厚意で、セミナー会場として同社が主宰する「まなび創生ラボ」をお貸し頂きました。この場をお借りしてお礼申し上げます。有り難うございました。

株式会社Click Net   まなび創生ラボ

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第33回 3.11 Disaster ~ 6 Years on ~ Foreign Journalists' View

(3.11 大震災から6年~外国人ジャーナリストの視点~)


Ms. Lucy Birmingham & Dr. David McNeill
(ジャーナリスト Economist誌、Japan Times、NHK World 等)
2017/03/11

3月11日(土)に開催した第33回PIPDセミナーは、Lucy Birmingham氏とDavid McNeill氏のお二人をゲストスピーカーとしてお招きしました。お二人は日本で活躍するジャーナリストで、TIME誌を始めとする様々な雑誌、新聞に記事を掲載されており、東日本大震災の時も多岐にわたる取材活動を展開、いち早く東京電力福島第一原子力発電所を含む東北3県の被災地を訪問し、地震・津波の被害を受けた様々な方々から当時の経験やその後の想いについて丁寧な取材を重ねてきました。そして、2016年12月に、その中から特に6人の方のストーリーをまとめた「雨ニモマケズ: 外国人記者が伝えた東日本大震災」という本を共著で出版されています。

東日本大震災から6年目となるこの日、お二人からは「雨ニモマケズ」で取り上げたストーリーを中心に、「3.11 大震災から6年~外国人ジャーナリストの視点~」をテーマにお話しいただきました。

満員御礼となったセミナーの冒頭では、参加者皆で、震災の犠牲になった方々や被災地の方々に想いを馳せるべく、1分間の黙祷をささげました。そのうえで、スピーカーのお二人は、非常に印象的な写真とともに、共著「雨ニモマケズ」の登場人物である6人の方々を紹介してくださいました。

◆1人目:桜井南相馬市長
まず、McNeill氏から南相馬市長の桜井勝延氏が紹介されました。南相馬市では、人口のほとんどが域外に避難し、お年寄りや貧しくて車が無い人々だけが取り残されました。そして、様々な物資が不足しているにもかかわらず、原発からの距離が近い南相馬市にはメディアが入らず、その窮状が伝えられることはありませんでした。そこで、桜井市長はYouTubeで窮状を訴え、助けを求めることで、この難局を乗り越えました。

◆2人目:相馬市の漁師、イチダさん
McNeill氏は続いて漁師のイチダさんを紹介されました。地震発生直後、多くの漁師は津波の到来を予想し、船で沖に出ようと試みました。なかには間に合わず、港付近で高さを急激に増す波に飲まれて亡くなった方も少なくありません。イチダさんも同じように船に乗り、高さを増した波頭をぎりぎりで乗り越え、危機を逃れました。McNeill氏は、「イチダさんから、震災・津波の体験を語ってもらうのは簡単ではなかった」と振り返ります。何度も断られながらも繰り返し接触したのちに「一度だけなら話す。ただ、一度きりだ」との条件で話をしてくださったそうです。この点について、アイルランド出身のMcNeill氏は、「アイルランド人漁師は自分の経験を何度も繰り返し話したがるし、その話は繰り返す度に誇張されていくものだ」とお話ししながら、日本の漁師との気質の違いを感じた、というお話をされました。

◆3人目:福島第一原発で働くワタナベさん(仮名)
McNeill氏から、3人目として原発で働く20代の若者、ワタナベさん(仮名)が紹介されました。ワタナベさんとは、駐車場で偶然出会ったそうです。ワタナベさんは双葉町で育ち、父親も原発で働いていたそうです。原発事故後、ワタナベさんは既に避難していましたが、使命感から発電所に戻り、危機対応に当たったそうです。しかし、非常に危険な仕事にもかかわらず、賃金は事故直後の最も線量が高かった時期でも月給40万円、その後は30万円程度と、十分とは言えない水準であったことを紹介されました。

◆4人目:夫をなくした陸前高田市のセツコさん
Birmingham氏からは、まず辛い経験を共有してくれる人を探すことは非常に困難であったことが話されました。McNeill氏が紹介した漁師のイチダさんが多くを語りたがらないように、トラウマ的な体験や親族の喪失といった悲しい経験をした方は、そのことについて喜んで話すということは当然ありません。

4人目として紹介されたセツコさんも、夫を津波によって亡くし、また、そのご遺体も中々見つからなかったそうです。震災一週間後、セツコさんはご主人のご遺体と学校の体育館で対面、その体は綺麗に洗われた後、火葬されました。Birmingham氏は、アメリカでは遺族であっても遺体を直接看取ることはなく、そのまま葬ることから、日本との文化の違いを感じた、と話されました。

◆5人目:東松島市の小学校教師、デイビット・チュムレオンラートさん
Birmingham氏は次にテキサス州出身のタイ系アメリカ人の小学校教師、デイビット・チュムレオンラートさんのストーリーを紹介されました。当時、体育館に多くの人々が避難していましたが、津波は体育館に浸水、水位は3メートル以上の高さにある時計のところまで迫ったそうです。避難していた方々は、体育館の2階部分にあるバルコニーにしがみつき、何とか難を逃れたそうです。チュムレオンラートさんは、当時の様子について一度メディアからインタビューを受けたそうですが、珍しい外国人被災者ということもあって、その後取材の依頼が殺到したことから、漁師のイチダさんと同じようにそういった露出を避けるようになったとのことです。しかし、Birmingham氏は知り合いの伝手でチュムレオンラートさんとコンタクトをとることができ、お話を聞くことができたそうです。

◆6人目:荻浜町の18歳(当時)サイトウさん
最後に、Birmingham氏は、震災前に家があった場所に立つサイトウさんの写真を紹介されました。サイトウさんの兄と母は、津波に飲まれながらも、かろうじて脱出し助かりましたが祖父を亡くされたそうです。当時サイトウさんは、東北大学への入学が決まっていましたが、家や財産を無くしたため、無事に進学できるかどうか非常に心配だったそうです。しかし、東北大学から金銭的な支援が得られ、無事に入学することができたそうです。卒業後はロボット研究の道に進み、高齢者の運動をサポートするロボットの研究・開発に取り組まれているそうです。

◆震災時の取材活動について
震災、特に福島第一原発周辺に関する取材活動は、多々困難があったそうです。当時、政府は原発及び周辺地域の取材活動を強く規制していました。また、情報開示も不十分であったように感じた、とのことです。
McNeill氏は外国人記者に取材許可を出さない政府や東電に対して、「放射能の問題は日本だけでなく、世界の問題である」と主張し、取材許可を強く求めたそうです。McNeill氏が事故発生直後に自らサイトを訪問した際に撮影した原発の写真の一つである、ロッカールームに敷き詰められた布団の写真からは、当時、原発作業員の方々がおかれていた厳しい勤務環境を窺い知ることができます。
また、飯舘村で取材したある農家の写真も見せていただきました。震災によって畑や家畜を失い、それまで何代にもわたって築いてきた生活は一瞬にして破壊されてしまいました。McNeill氏は、その農家の主であるショウジさんの話を、涙なしに聞くことはできなかったとのことです。

会場からは、震災時の取材時に意識していること、心に留めていたことについて質問がありました。

お二人は、「一度で全て聞くことはできない。トラウマ的な経験をしている方はその経験について話したがらない。だから何度も足を運び、少しずつお話を聞いていくことが大事だ」、「敬意をもって接することが大切だ」と答えられました。
さらに、Birmingham氏は、避難所ではそれぞれの家族がそれぞれ辛い経験をしているため、多くの被災者はその感情を発露させることができない環境にあり、心理的なサポートが必要であるように見受けられた、と振り返られました。Birmingham氏は、被災者の心理的サポートをする活動をしようと自治体に申し出たところ「外国人の助けはいらない」と断られたとのことです。この経験から、ボランティア活動に対する行政の理解を得ることが大変重要、と感じられたそうです。

◆日本のマスメディアの報道姿勢について
 震災当時の日本のマスメディアの良かった点、悪かった点についても質問がありました。McNeill氏は、NHKの報道は非常に冷静で、危機感や恐怖を徒に煽るものではなかった点が良かったと指摘されました。また、震災発生直後に飛ばしたヘリコプターで上空から撮影した津波の映像は、非常にインパクトがあり、世界中で有名であると評価されました。一方、震災後、日本のマスメディアは原子力の「専門家」を連日招いては、原発の実情や想定されるリスクを語ってもらうというより、視聴者に原発への危機感や疑念をできるだけ抱かせないよう腐心しているように見えたこと、こうした姿勢からは、政府、原発業界、大手マスメディアとの間の利害関係が透けて見え、疑わしいものだったと述べました。たとえば、東電が事故発生から2か月後にようやく「メルトダウンが起こっていた」と発表して初めて、日本の大手メディアがその旨を報道したことを指摘されました。
参加者から出された「ジャーナリストの使命とは?」との質問に対して、お二人は、「事実を伝える」ことに加え、「Monitor the power(権力の監視)」が重要なミッションである、と強調。政府や企業の発表を鵜呑みにして報道するのではなく、疑わしい点があればその点を検証して報道することがメディアの使命であると強く主張されました。

◆震災後に生じた変化について
最後に、ゲストスピーカーのお二人から、参加者に対して「震災後に日本は変化したか?変化したとすればそれはどのようなものか。」という問いかけがなされました。約40人の参加者が、4,5人の小グループをつくって話し合った後、会場全体で内容を共有しました。NPOやボランティアに対する関心の高まり、「自分もいつ死ぬか分からない」との気づきから、本当にやりたい仕事への転職を決意された方のお話など、様々な変化が共有される一方、そうした社会的風潮は一時的なものにとどまっているのではないか、との指摘も出されました。

セミナー終了後、お二人の共著である「雨ニモマケズ: 外国人記者が伝えた東日本大震災」を数量限定で販売していましたが、あっという間に売り切れました。この本は、まさにその日の日経新聞において、東日本大震災のリアルな姿を、冷静に描き出している良著として、紹介されていました。

今回は土曜日の開催ということもあり、セミナー後に懇親会を開き参加者それぞれが、震災や津波を経ての想いや活動について共有し、最後まで会場は盛況でした。

今回も株式会社Click Net 社長の丸山剛様、並びに社員の皆様のご厚意で、セミナー会場として同社が主宰する「まなび創生ラボ 」をお貸し頂きました。この場をお借りしてお礼申し上げます。有り難うございました。



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第32回 What does “Global Jinzai” mean?

– think together with a young professional from Singapore

(グローバル人材ってなに?~シンガポール出身の若きプロフェッショナルと一緒に考える~)


Ms. Avena Tan (上智大学大学院新卒、日系総合商社 勤務)
2017/02/11

2月11日(土)の15時から開催した2017年最初の第32回PIPDセミナーは、シンガポールから上智大学大学院へ進学し、日本の大学生と同じ就職活動を経て、日系商社に入社されたAvena Tanさんをスピーカーとしてお招きし、「What does “Global Jinzai” mean? – think together with a young professional from Singapore(グローバル人材ってなに?~シンガポール出身の若きプロフェッショナルと一緒に考える~)」をテーマにお話しいただきました。

なお、今回も株式会社Click Net 社長の丸山剛様、並びに社員の皆様のご厚意で、セミナー会場として同社が主宰する「まなび創生ラボ 」をお貸し頂きました。この場をお借りしてお礼申し上げます。有り難うございました。

プレゼンテーションはAvenaさんの自己紹介から始まりました。引っ越しの多い一家で育ったAvenaさんは、中国本土で生まれた後、香港へ移り、何度か引っ越しをしてから、シンガポールへ住むことに至ったそうです。こうした経験は、Avenaさんが後に日本への留学を決意するうえでのきかっけにもなったそうです。
「シンガポール人は、同じ環境で、同じ教育を受けて育つため、同質のバックグラウンドを持つことがほとんど」とAvenaさんは指摘します。そうした中、中国、香港、シンガポールと様々な環境で育ってきたAvenaさんは、他のシンガポール人たちと自分との差別化を図りたいと考えるようになり、多くのシンガポール人が選ぶアメリカやイギリスのような英語圏ではなく、日本に留学することを決めたそうです。数ある国の中でも日本を選んだのは、
① 当時シンガポールの日本人コミュニティに関わる機会があり、そこで出会った日本人の方々に刺激を受けた、
② 日本が東南アジアへ多額の投資を行っていることから、日本企業は自身の経験を活かすことができそうだと考えた、
といった理由があったとAvenaさんは振り返ります。また、Avenaさんは日本の文化にも関心が高く、特に「コタツ」が好きということも、日本を選ぶ決め手となったそうです。

今回のセミナーは、スピーカーであるAvenaさんと昨年夏に2年間の米国留学から帰任したCrossoverスタッフの二宮聖也との対談、そして参加者同士のディスカッションという、これまで以上にインタラクティブな形式で行われました。対談及びディスカッションは、大きく以下2つのテーマに沿って進みました。

【Session1】
What does global Jinzai mean in the Japanese context?
(グローバル人材とはそもそも何か?)

Session1では、「グローバル人材」という言葉に焦点を当て、「そもそもグローバル人材とは何か?」についてAvenaさんと二宮との間で対談を行った上で、参加者同士で「自分はそういう人材か?」、「そういう人材となるには何を変える必要があるか?」という視点で議論を行いました。

対談は二宮からの「なぜ近年、グローバル人材という言葉が話題に上ることが多いのか?」という質問でスタートしました。現在日本の商社に勤務するAvenaさんは、自身の会社を例に挙げながら、海外に多くの支店、支社を持っている日本企業の場合であっても、グローバル人事のシステムがないなど、社内は非常にdomestic(内向き、国内中心)な傾向がみられる点を指摘しました。会社として「現状を変えていこう」という意欲は感じ取れる一方、会社として「グローバル人材」に期待する役割が明確になっていないとも指摘。この点、Avenaさんが上司に「外国人である自分に何を期待しているのか」と尋ねたところ、「日本人のスタッフと同様の役割を果たして欲しい」という返事であったそうです。「内向きな会社の現状を少しでも変えていけるように努力したい」とAvenaさんは笑顔で述べていました。

「グローバル人材を目指す人へのアドバイスは?」という質問に対して、Avenaさんは「“Open Mind(広い心)”を持つことが大切ではないか」と強調されました。また、「そもそも“グローバル人材”という言葉自体、海外では耳にすることがなく、日本国内でばかり語られるはやり言葉ではないか?」と指摘したうえで、以下のように、“グローバル人材”を定義されました。

「日本では、“グローバル人材=英語を話す人”、“海外留学を経験したことのある人”、あるいは“日本にいる外国人”を指すように見受けられるが、海外に行ったことのない日本人でも十分、“グローバル人材”になることができる。」
「私が考える“グローバル人材”とは、英語を話せるといったスキル面に由来するのでは必ずしもなく、変わりゆくビジネス環境、人々の考え方に適応していくFlexibility(柔軟性)、Adaptability(順応性)を持った人材ではないか。」

ここで、対談の内容を踏まえつつ、参加者同士で“What does global Jinzai mean in the Japanese context?What do you need to change?”についてのディスカッションに移りました。約10分のディスカッションでは、「海外でも日本人同士で固まってしまう傾向」や、「言語だけでなく、非言語面の文化的なコミュケーションの仕方」についても改善が必要ではないか、グローバル人材を採用する戦略を明確にすべきではないか等の意見が活発に出されました。

【Session2】
How should individuals change to create a better workplace for both foreign and Japanese workers in Japan?
(私たち「一人一人」はどのように変わっていくべきか?)

Session2では「グローバル人材であろうとなかろうと、今後、日本人が外国人と共生していくことが求められる社会において、私たち一人一人がどのように変わっていくべきか」をテーマに議論を行いました。初めに、Avenaさんが日本で過ごす中で感じた日本社会へのフラストレーションや葛藤について、モデレーターの二宮と対談を行い、その内容を踏まえ、参加者同士、私たち一人一人が外国人・日本人の双方にとってwin-winな職場環境、コミュニティを創り出すために、どういうアクションをとっていくべきか、そして「私たち」は明日から何ができるか、という議論を行いました。

初めにAvenaさんから、自身の日本の企業で働く中で感じた葛藤について共有頂ききました。歴史ある日本の商社で働くAvenaさんは、「日本人らしくあること」と、「外国人らしくあること」のバランスを失わないように常に気をつけているとのことでした。つまり、日本企業の本社で働く以上、日本社会に適応していく必要がある一方、自分は「完全な日本人」にはなれず、また周囲からも「完全な日本人」として扱われない中で、外国人としてのバックグラウンドを活かすためにどう振る舞うべきかを考えている、とのことです。

そうした中で、自身が「外国人であること」を周囲に認識してもらい、また、完全に日本人と同様に振る舞うことはできないことを理解してもらえるように努めている、とのことです。例として、社内では、ほとんど敬語を使わないようにしていることを挙げていました。敬語を使っても日本人のような「正しい」敬語ではなく、違和感を与えてしまう、外国人が使っていたら軽く笑われるだけで済むが、日本人が使っていたら間違いなく注意されるような表現になってしまうために意図的に避けていると話していました。一方、日本社会に順応しようと、コーヒーを淹れる、コピーをとる、デスクの掃除等、日本人の新入社員、特に女性が会社の風習として行っていたようなことは積極的に行うことを心掛け、また日本人が行う立ち振る舞いについては常に観察し、勉強しているそうです。他方、そうした日本の文化に順応する姿勢を見せながらも、「“自身はあくまで外国人である”と示すことは忘れないようにしている」と強調されました。

日々、暗黙のルール(protocol, unwritten rule)に気を付けながら生活しているというAvenaさんの話を踏まえ、モデレーターの二宮が、アメリカ留学の際に、自分が初めて社会的少数者(social minority)となったことをきっかけに、同じマイノリティである外国人学生によるグループを組織しアクションを起こした経験を述べた上で、参加者に「How should individuals change to create a better workplace for both foreign and Japanese workers in Japan? What can you do from tomorrow that will make a difference?」と質問を投げかけました。Session1に引き継ぎ、このディスカッションでも各チームで白熱した議論が行われました。

「外国人のスタッフと会話をするきっかけにまず挨拶をしよう」
「日本人、外国人がそれぞれコミュニティを作ってしまう傾向があるので、コミュニティ外でのコミュニケーションを行う」
「外国人(スタッフ)もより日本語を学ぶようにする」

こうした意見が飛び交う中、「普段は英語を話す機会があまりなく、英語に自信がない」というある参加者が立ち上がり「自分に何ができるか考えた結果、まず、この場で勇気を出して英語で意見を発信することから始めたいと思った」という声を会場に響かせました。Session1の議論でも指摘された「まず、自分のmind-setを変えていく」、という「グローバル人材」へのステップを越えていく光景に、多くの人が印象付けられました。

セミナー終了後には、ソフトドリンクとお菓子を用意した懇親会の時間を設け、約40名の参加者及びスタッフがそれぞれ親睦を深めつつ、本セミナーの議論を振り返り、熱い議論を続けました。



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