共に築こう! 壁を乗り越える「Crossoverという生き方」の環

共に築こう! 壁を乗り越える「Crossoverという生き方」の環

官民協働ネットワークCrossover主催 特別企画
参加型シンポジウム

 

 

共に築こう!

壁を乗り越える「Crossoverという生き方」の環

 

 

報告書

 

 

2017年7月8日(土)
東京医科歯科大学M&Aタワー ファカルティラウンジ

 

1 全体総括


今回のイベントでは、この夏から日本を離れ、フィリピンの首都マニラに本部を置く国際機関、アジア開発銀行(ADB)に総裁首席補佐官として赴任することとなったCrossover代表、池田洋一郎の旅立ちを激励するとともに、2001年の立上げから16年目に入ったCrossoverの新たな運営体制を発表しました。
午後1時過ぎから始まったイベントは、池田からのプレゼンテーション、Crossover運営スタッフによる手作りの映像によって示されたケーススタディ、参加者同志の密な対話、そして懇親会と10時間以上に亘り、「立場や意見の異なる人々が協働しながら社会問題をともに解決していく環境を作る」というCrossoverのビジョンと、そのビジョンを実現するためツールである「対話のファシリテーション」の大切さと難しさとを学び合いました。

代表である池田洋一郎、及びCrossover双方にとっての新たな門出となる大切なイベントに、第一部シンポジウムには116名、その後の懇親会には106名、そして日付が変わるまで続いた二次会にも70名の皆さんに参加頂いたこと、心から嬉しく思います。

参加頂いた皆さん、会の成功にご協力頂いた皆さん、本当に有り難うございました。なお、当日の流れと内容、及び参加者同士の主な議論については以下をご参照下さい。

流れ 内容
1st Session Message
(50分)
■新たな旅立ちに当たってのメッセージCrossover代表池田洋一郎
「共に築こう!壁を乗り越える「Crossoverという生き方」の環」
~アジア繁栄の礎を築いたパイオニアたちの奮闘に想いを馳せながら~
2nd Session Case Study
(45分)
■事例紹介(「Crossover Global大学院 国旗騒動」VTR鑑賞)
■事例に基づくグループ・チャット
■ディベートの内容共有
■振り返り~先人達の奮闘と知恵の共有~
3rd Session Dialogue
(45分)
■官民協働ネットワークCrossover今後の運営体制のご紹介
■「壁を乗り越える“Crossoverという生き方”」について考え、共有し、実践するためのグループ・ダイアログ
Final
(20分)
■SSMを通じた学びの共有と絆作り
■Crossoverチーフ・ファシリテーター二宮聖也からのメッセージ
壮行会&懇親会
(2時間30分)
池田の壮行会も兼ねて、参加者同士の交流を深めるセッション

 

2 概要


1st セッション:メッセージ
池田から、貧困と紛争の惨禍に苛まれていた1960年代のアジア・太平洋地域において、「国々の持続的な繁栄と平和の礎を作る」という共通の意志を持った先人たちが、組織、立場、そして国境といった壁を越えて連携し、アジア開発銀行を立ち上げた物語が紹介されました。1966年の創設以来、アジア・太平洋地域の国々と共に成長してきたアジア開発銀行で、経営の中枢を担う総裁首席補佐官として赴任するに当たっての所信表明として、池田は、Crossoverの活動を通じて磨いてきた対話のファシリテーションの力をもってアジア開発銀行に貢献したい、という想いと、Credibility(不偏不党であることで得られる信頼)とCuriosity(人の話によく耳を傾け、よく質問する好奇心)を大切にし続けていく、という意志が共有されました。

2nd セッション:ケーススタディ
池田の母校であるハーバード大学ケネディースクールでの入学式で実際に起こった「台湾の国旗問題」という事件をもとに、Crossoverのファシリテーターが主演・演出・作成したドラマ映像がケーススタディの題材として共有されました。その上で、「台湾出身の大学院生の意を汲んで、台湾の国旗を大学院の公式のイベントである「お国自慢大会」で掲げるべきか、それとも中国人学生の意を汲んで国旗の掲揚は見送るべきか」というテーマについて、参加者同士で議論し、立場や意見が異なる者の対話を促進し、ともに問題解決へと導いていくファシリテーションの大切さ、難しさを学んでいきました。

参考URL : https://youtu.be/zTJyy9esTBc

ケースディでは、例えば以下のような意見が出されました。
・「お国自慢大会」という設定自体が不要な対立を煽る設定になっているのではないか。
・各学生が掲げたいものを国旗に限らず(例えば、地方自治体や元々勤務していた会社のシンボルなど)を掲げるようにできればよいのではないか。
・国旗ではなく、民族衣装や料理等、政治問題とは無縁なものを掲げるべきだ。

3rd セッション:ダイアログ
Crossoverのビジョンや、対話のファシリテーションの大切さを、参加者が一人ひとりの日常生活や仕事と関連付けながら考えるべく
・日常生活や職場で、先入観や偏見、諦めといった壁を感じたことはあるか、
・その壁を乗り越えるために何をしたか、何をすれば良かったか、
・Crossoverという生き方を実践するにあたり、明日からできることは何か、
という3つの問について参加者同士のダイアログが行われました。
・ダイアログでは例えば以下のような意見が出されました。

■最近、身近に感じた「壁」
・家族や恋人、友人への甘え、期待感等、暗黙の内に他者からの理解を一方的に求めることで発生する壁
・日本人大学生のLGBTへの理解度の低さやレッテル貼り
・アメリカでのアジア人に対する無関心や無知に対する諦め
・派遣社員が正社員のステータスに対して抱いている諦め
・知識や経験が豊富な大人が若者の意見を聞いてくれないことによる壁
・地方とグローバルのような関心事項の違いによる壁
・日本と中国の間にある様々な決め付けや偏見

■壁をどのようにして乗り越えたか
・信頼関係を築く。多様な考え方や偏見に対して「そうなんだ」と一度受け止め、相手を憎まない。笑顔を保ち続ける。
・他者に自己肯定感や自発性を感じてもらい、自身の世界観という殻にこもらないような手助けをする。
・相手に心を開いて等身大に向き合う。相手の感情に訴える。
・とにかく会って1対1で話す。相手の話をよく聞く。

■Crossoverという生き方とは?
・壁の存在は自身の認識の仕方次第で変わると気付くことがCrossoverという行き方ではないか。
・例えば、自身がやりたくないことに取り組む時に感じる困難さは壁と認識される一方で、自身が楽しんでいることやキャリア上必要だと感じる困難は、壁ではなく、成長に必要なステップと認識できる。目の前の壁が緩やかな傾斜・階段に変化する。
・あるいは、自身が楽しみながら取り組んでいるか、あるいは困難という山を登るにあたり、山頂の景色を適切に描くことができるか、によって壁の感じ方は変わる。
・他者との協働やチームビルディングにおいて、相手の自発性や内発性をいかに引き出すか、相手を受け容れることができるかが重要ではないか。
・人の話をよく聞き、多様性を受け容れていくのがCrossoverという生き方ではないか。
・人を受け容れ、自分を晒すためには自分の中の恐怖や恥という感情を乗り越えることが必要。このためには勇気が必要であり、ほんの少しの勇気を色んな場所で発揮することがcrossoverという生き方ではないか。

4th セッション:今後のCrossoverの運営体制の御紹介
Crossoverの運営メンバーは、誰かの指示で受動的に仕事をするのではなく、能動的にCrossoverというコミュニティをつくりあげていく存在であり、参加者同士の対話を場作りをファシリテートしていく存在であることが強調されました。その上で、運営メンバーの呼称については、従来の「スタッフ」から「運営ファシリテーター」へと改めることが紹介されました。

併せて、運営ファシリテーターのそれぞれの担当テーマや、運営ファシリテーターを支援するメンター及びアドバイザーについても紹介されました。
池田が日本を離れた後も、新たな体制でCrossoverの活動はより一層盛り上げていきます。
皆様どうぞ引き続きよろしくお願いいたします!

文責 Crossoverファシリテーター
堀越優行

 

3 アンケート概要


別紙 [PDF]